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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 瞹味構造を持つ基質に対する酸素認識の全体像解明 — Whole Statue of Recognition by Enzyme Toward Substarates with Vague Signals
荻島 正 ; OGISHIMA Tadashi
研究期間: 2001-2002
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概要: (1)基質にはこれまでの研究によりいくつかの認識に重要なアミノ酸残基が存在することが判明している。しかし、それらの切断部位からの距離は、一次構造上では様々である。そこで、蛍光の共鳴エネルギー移動の原理に基づき、酵素および基質を設計して測定したところ、基質中の重要なアミノ酸は基質によらずほぼ同じ距離で酵素中に存在でしていることが判明した。 (2)基質の中にはこれまで明らかにした認識シグナルの一部を持たないものが少なからず存在する。そこでは、このような前駆体をより切断に有利になるようなアミノ酸に置換した。その結果、基質は変異を加えなくとも切断されたが、アミノ酸置換により切断効率の向上が見られた。これらの結果は、酵素側が認識シグナルの中から最適な組み合わせを選ぶため、基質は認識シグナルの全てを持たなくとも良いことを意味した。 (3)これまでに明らかになったミトコンドリアプロセシングペプチダーゼの基質は、延長ペプチドが10から50残基のアミノ酸からなるものである。前駆体はアミノ末端からミトコンドリアマトリクスに入るため、延長ペプチドは膜透過後に切れる。このため、延長ペプチドは高次構造をとらず、切断点も露出しているものと予想された。しかし、植物には二種のタンパク質の融合前駆体として合成され、ミトコンドリアマトリクスに移入後、機能タンパク質が切り出されるものが存在する。そこで、この反応を解析したところ、プロセシングはミトコンドリアプロセシングペプチダーゼでなされることが判明した。さらに、切断を受けるのが二種のタンパク質が構造をとる前か後かを調べたところ、酵素切断は構造形成の後でも行われるが、切断部位は堅固な構造をとっていないことが判明した。 (4)最近得られた酵素と基質のX-線結晶解析によって基質の切断部位付近の基質-酵素相互作用は明らかになった。しかし、他の重要な認識部位に関しては不明のままである。そこで、蛍光共鳴エネルギー移動法を用いて切断部位からの距離を算出し、X-線結晶解析の結果と合わせ、位置を推定しようと試みた。その結果、基質の切断部位からカルボキシ末端側に約10残基下った領域で、基質は酵素の空洞から出ることが予想された。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of タンパク質の細胞内輸送を制御する新たな機構について — New Control Mechanism for Protein Transport in Cells
伊藤 明夫 ; 荻島 正 ; OGISHIMA Tadashi
研究期間: 2002-2003
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概要: 小胞体膜酵素であるb_5の構造類似体としてラットミトコンドリア外膜に存在が確認されたOMbは長い間生理機能不明タンパク質であった。この酵素が動物へのフェノバルビタールやデキサメタゾンなどの薬物処理によりミクロソームに移行することを見いだした。細胞内分布の詳細な解析により、OMbの移行先は小胞体であることが判明した。この膜移行には新規タンパク質合成が不要で、既存のタンパク質の活性化が関与していることが培養細胞を用いて示された。肝臓以外の臓器・組織では、OMbはミトコンドリアと小胞体にほど均等に分布していた。精巣でもOMbは両オルガネラに存在していたが、b_5は検出されなかった。精巣ではP-450_<17α>のリアーゼ反応を高め、アンドロゲン合成を促進するのがb_5の機能の一つであるというのが定説であったが、精巣でのOMb機能解析の結果、従来信じられていたb_5ではなくoMbがP-450_<17α>の活性化を引き起こし、アンドロゲン合成を高めることを証明した。OMbの精巣内での分布はP-450_<17α>と一致して、アンドロゲン合成を司るライディッヒ細胞のみであった。そこで、他の組織に関してもOMbの機能を明らかにするため、組織局在を調べた。その結果、副腎皮質ではOMbとb_5は異なった分布をし、脳では小脳で運動調節に関与するプルキンエ細胞、大脳で生理活性物質を脳脊髄液として生産し脳内に送る脈絡叢の上衣細胞にP-450_<17α>と共存し局在していることが判明した。プルキンエ細胞がプロゲステロンからアンドロゲンを経由しテストステロンを生成することを証明し、OMbが小脳でのアンドロゲン合成に関わっている可能性を見いだした。これらの事実は、単にホルモンバランスのみならず、高度な生命活動にもOMbとb_5が関与していることを示唆している。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of プロセシングプロテアーゼによるミトコンドリアタンパク質の延長ペプチド認識構造の解析
荻島 正
研究期間: 1993
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概要: ミトコンドリアプロセシングプロテアーゼによる認識機構を明らかにするために、以下の研究をおこなった。(1)プロテアーゼ反応をリアルタイムで測定できる基質の開発。(2)基質と同様に酵素に結合するが、切断を受けず酵素と安定な複合体を形成する基質類似体の開発 (1)リンゴ酸脱水素酵素の延長ペプチドをモデルとした合成ペプチドが、ミトコンドリアプロセシングプロテアーゼの基質となり正しい位置で切断を受けることを明らかにした。この合成ペプチドを修飾し、アミノ末端に蛍光基を、切断部位をはさんでカルボキシル末端側に消光基を導入した。その結果、蛍光基は延長ペプチド中の遠位のアルギニンよりもアミノ末端側に存在し、消光基はカルボキシル末端側の切断部位、すたわち、P1'から少なくとも3残基は離れていれば切断に伴い蛍光を発することが判明した。この基質は酵素反応をリアルタイムでしかも高感度に測定することを可能にした。この蛍光基質をさまざまに改変することで、基質認識における遠位および近位のアルギニン、P1'位のアミノ酸の重要性が判明した。 (2)リンゴ酸脱水素酵素の延長ペプチド中のP1'位のアミノ酸をL-フェニルアラニンからD-フェニルアラニンへと置換させた。この基質類似体はプロテアーゼにより切断を受けなくなるばかりか、もとのペプチドやin vitroで合成した前駆体タンパク質の切断をも強く阻害した。この基質類似体を用いて酵素の部位特異的標識化などへの応用を現在準備している。 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ミトコンドリアプロセシングペプチダーゼ系における基質および基質認識構造の解析 — Analysis for the Substrate Strucure and Structure Responsible for Substrate-recognition by Mitochondrial Processing Peptidase
荻島 正 ; OGISHIMA Tadashi
研究期間: 1995-1996
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概要: リンゴ酸脱水素酵素(MDH)の延長ペプチドをモデルとした合成ペプチドに自己消光性の蛍光基を導入することで、ミトコンドリアプロセシングペプチダーゼ(MPP)の反応をリアルタイムで簡便に測定するのに成功した。他のミトコンドリアタンパク質前駆体の延長ペプチドをモデルとした基質についても解析を行い、それらにおいても、MDHと同様の認識シグナルが働いていることを明らかにした。MDHにおいては、延長ペプチド部分の近位と遠位アルギニンの間には柔軟な構造が不可欠であることを、主鎖にエーテル基を導入したアミノ酸をその部分に入れることで証明した。さらに、アルギニンのアナログアミノ酸を用いることで、近位アルギニンの認識には側鎖の2カ所の水素結合とイオン結合が関与していることを明らかにした。以上のような認識要素は実際の前駆体タンパク質でも機能していることを明らかにした。 点変異法によりβ-サブユニットに触媒部位があることを明らかにした。αおよびβ-サブユニットを大腸菌で大量発現させる系を確立し、これらのサブユニットを高純度に精製し、再構成することに成功した。この再構成系を用いて合成基質による光親和性標識を行ったところ、基質の切断部位付近は触媒部位のあるβ-サブユニットに結合することが判明した。しかし、基質のC-末端部はα-サブユニットと結合することが判明した。すなわち、これらのことは、両サブユニットが共同で基質認識部位を形成していることを強く示唆している。 続きを見る