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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 内分泌撹乱物質による脳および行動の性分化障害メカニズムの解明
粟生 修司
研究期間: 2002
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概要: ビスフェノールA(BPA)曝露ラットでは、オープンフィールド行動における性差(運動量や探索行動量はオスよりもメスの方が多い)が消失した。性行動や性ホルモン生殖臓器重量には影響は認められなかった。DESも同様に非生殖行動の性差を消失させたが、雌の生殖機能も抑制した。一方、RVTはオープンフィールド行動への影響は少なく、生殖行動への影響の方が強く認められた。 視床下部の内側視索前野の性的二型核の性差には、BPA, DES, RVTとも今回用いた濃度では影響はなかった。なおDESは今回の2倍の濃度では雌の体積を増加させることが知られているが、BPAは5倍の濃度でも影響はなかった。 青斑核の大きさは、対照群では雌の方が大きいが、BPA曝露群およびDES曝露群では雄の方が大きく、性差が逆転した。RVT曝露群では逆転は認められなかったが、性差は消失した。青斑核内でさらに検討すると、対照群では中間領域に雌が雄より大きい性差が生じていたが、すべての曝露群で中間領域の性差は消失し、有意な逆転はなかった。その性差消失の原因にはBPA、RVT両曝露群とDES曝露群とでは違いがあり、BPA、RVT両曝露群で雄が雌に近づき、雌が雄に近づくのに対して、DES曝露群では雄が雌と同等になり、雌は変わらなかった。しかし、BPA、DES両曝露群の雄の尾側領域では体積の増大傾向、雌の吻側領域では体積の減少傾向があり、これがBPA及びDESの全体的な性差を逆転させたと考えられる。 生後21日目ERβの発現を前脳部で調べると、視床下部の室傍核や視索上核や大脳辺縁系の扁桃体内側核などに発現した(図1)。視床下部ではBPA曝露の影響は認められなかったが、扁桃体内側核のERβはBPA曝露で雌雄ともに著明に増加し、性差が消失した。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 新しい抗ストレス因子フラノン系物質の高次ホメオスタシス機能に及ぼす影響
粟生 修司
研究期間: 2002-2004
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概要: 平成16年度は食品に含まれるフラノン物質である2.5-dimethyl-4-hydroxy-3(2H)-franone(3(2H)-franone)の作用を調べた。また関連物質のオークラクトンの生理作用を調べた。 1)3(2H)-franoneのラット行動に及ぼす影響:3(2H)-furanoneをtriethylcitrateに溶解し、3%溶液として用いた。3%溶液0.2mlを暴露ケージに散布し、60分暴露した後、オープンフォールド試験における活動性および探索行動、高架プラス迷路試験における不安関連行動、強制水泳試験における絶望行動、受動的回避学習に及ぼす影響を調べた。その結果、3(2H)-furanoneは移動速度を促進し、ニオイ近傍における活動性を促進した。また不安行動を軽減する傾向を示した。ストレス対処行動やうつ反応、受動的回避学習には影響を及ぼさなかった。また、オークラクトンが鎮痛作用を示すことをホットプレート試験で見出した。 2)3(2H)-furanoneのニューロン応答:フラノンの標的細胞を同定し、その作用機序を明らかにするため、視床下部および嗅球の神経活動を細胞外記録し、3(2H)-furanoneに対する興奮性嗅覚応答を確認した。 3)3(2H)-furanoneのサル視覚カテゴリー認知行動に及ぼす影響:フラノンがさらに高次の脳機能に影響を及ぼすかどうか明かにするため、3(2H)-furanone(5mg/kg)をアカゲザルに投与し、視覚カテゴリー認知課題に及ぼす影響を調べた。その結果、正答率が生理食塩水投与と比較して低下した。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 高次ホメオスタシス機能の化学環境材存性の解析 — Analyses of higher homeostatic, function depending on chemical environments
粟生 修司 ; AOU Shuji
研究期間: 2001-2003
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概要: 1)ビスフェノールAやトリブチルスズの周産期や胎生期曝露の行動の性分化に及ぼす影響を調べた。探索行動の性差は周産期間曝露と同様に消失した。強制水泳試験では、ストレス対処行動の指標であるstruggling時間の性差(雌>雄)が、出産前1週間曝露で消失した。うつ反応の指標であるimmobility時間は、対照群および曝露群ともに性差はなかったが、ビスフェノールA曝露群で有意に延長した。本研究により、内分泌撹乱物質が、探索行動、ストレス対処行動、青斑核、扁桃体内側核領域の喚覚応答の性差を消失させることが明らかになった。さらに、ビスフェノールAがうつおよび不安を増強し、捕食者のニオイに対する警戒応答を増強することを見い出した。 2)みどりの香りのストレス応答に対する作用を調べた。捕食者のニオイに曝露した時には、みどりの香りは高架十字迷路試験において総移動距離、平均移動速度を増加させ、活動性を上げた。心理的ストレスに関しては、ストレスに曝露した翌日の飲水量をみどりの香りが著しく減らしていた。高架プラス迷路試験による不安レベルや活動性には差はなかった。身体的ストレスに関しては、ストレスに曝露した翌日の摂食量および飲水量は減少していた。さらに翌々日の摂食量および飲水量も減少していた。高架プラス迷路試験による不安レベルや活動性には差はなかった。以上のことからみどりの香りは、活動性を上昇すること、摂食、飲水量をストレス強度に依存して抑制することがわかった。 3)内界環境に応じて変動する摂食調節物質であるオレキシンA、レプチン、2-buten-4-olideが摂食行動だけでなく、学習記憶機能を調節する作用を示すことを水迷路試験や海馬長期増強試験で明らかにした。 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 内分泌撹乱物質による脳および行動の性分化障害メカニズムの解明
粟生 修司
研究期間: 2001
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概要: A:本研究による知見 (1)行動への影響 母ラットに対してビスフェノールA(飲料水中に0.1、1、5ppm)、トリブチルスズ(餌中に5、25、125ppm)、ジエチルスチルベストロール(飲料水中に0.05ppm)を飲ませて生まれた子ラットが6週齢になった時点でオープンフィールド試験を実施し、全群において本来の性差(オスよりもメスのほうがよく動き、よく探索する)が消失することを見出した。レスベラトロール(飲料水中に5ppm)に曝露されたラットでは、オープンフイールド行動の性差は保持されていた。 (2)脳への影響 本来雌のほうが大きい青斑核の体積は、ビスフェノールAおよびジエチルスチルベストロール曝露ラットでは性差が逆転して雄のほうが大きくなり、レスベラトロールでは性差が消失していた。青斑核の細胞数の性差に関しても同様の傾向が見られた。一方、視床下部視索前野の性的型核の性差(雄のほうが大きい)は、ビスフェノールA、ジェチルスチルベストロール、レスベラトロールのどの曝露によっても影響を受けなかった。 B:現在進行中の研究 (1)行動への影響 上記化学物質曝露ラットにおいて、性差を示す他の行動試験を施行中である。 (2)脳への影響 脳内で性的二型性を示す上記の2つの核に対する種々の物質の影響をさらに検討するため、生後1日、11日、21日齢のWistarラットの脳を採取した。現在、これらの核におけるアポトーシス細胞出現の発達に伴う変化を解析中である。 続きを見る
5.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of サル性行動の神経性・液性調節機構 — Neural and Humoral Control Mechanism of Monkey Sexual Behavior
粟生 修司 ; AOU Shuji
研究期間: 1988-1990
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概要: 本研究では、サルの性行動を制御する中枢神経機構とそれに関与する生理活性物質の解明を目的として、(1)視床下部、中脳被蓋野や中心灰白質の電気的化学的刺激の性行動に及ぼす効果、(2)性行動遂行中の視床下部ニュ-ロンの活動様式、(3)視床下部における性行動および摂食行動の相互調節系を検討した。また(4)行動中あるいは視床下部刺激後の脳脊随液中の神経ペプチドの動態の解析を試みた。 1.電気刺激実験では、雄ザルの内側視索前野や視床下部背内側核から連続的に腹側被蓋野まで至る経路が性行動発現系であるが、雌ザルでは内側視索前野→視床下部腹内側核→中脳中心灰白質が性行動の促進経路であった。雄ザルの中脳の電気刺激有効部位にグルタミン酸による化学刺激を行ったが、化学刺激は無効であった。 2.ニュ-ロン活動の解析では、雄の内側視索前野ニュ-ロンは性的覚醒レベルに応じた活動様式を示し、視床下部背内側核のニュ-ロンは実際の行為中に一致して活動が高進する。雌ザルでは内側視索前野は雄の活動様式と類似点があり、また雄の背内側核とよく似た活動が雌の腹内側核で観察された。 3.サル視床下部腹内側核は雌の性行動促進系であることが明らかになったが、この部位は摂食抑制系でもある。電気刺激で雌ザルの性行動を誘発するが、レバ-押し摂食課題の遂行は抑制した。また、性行動の誘発は異性のパ-トナ-が手の届く範囲にいたときだけおこり、同性のサルやヒト等に対しては誘発されなかった。これらのことは視床下部刺激で誘発される行動が常に外界からの情報に依存していることを示している。 4.性行動や視床下部刺激後の脳脊随液中の生理活性物質の動態の解析を試みているが、さらに継続する必要がある。 続きを見る
6.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 環境ストレス反応における中枢性カルシウム調節機構の意義 — Significance of central mechanism of calcium regulation in responses to environmental stresses
粟生 修司 ; AOU Shuji
研究期間: 1991-1993
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概要: 1.ストレス性低カルシウム血症の発生機序:ストレス性低カルシウム血症は胃迷走神経の活動および前庭部から分泌されるガストリンおよび胃底部から主として放出されるヒスタミンが重要な役割を果たしているが、胃酸分泌自体は関与していないことが明らかになった。 2.ストレス性低カルシウム血症における視床下部の関与:視床下部腹内側核の破壊でストレス性低カルシウム血症の発生が完全に抑えられ、室傍核や視床下部外側野の破壊は効果がなかった。 3.ストレス性低カルシウム血症、胃潰瘍および情動反応性の視床下部連関:WKYラットでは、強制水泳試験におけるimmobility時間の長い個体ほど胃潰瘍および低カルシウム血症の程度が重かった。Wistarラットはstruggling時間の長い個体ほど胃潰瘍および低カルシウム血症の程度が軽かった。Wistarラットの室傍核破壊により、胃潰瘍および低カルシウム血症が重症化し、immobility時間も延長した。視床下部腹内側核破壊では胃潰瘍、低カルシウム血症ともに軽症化し、struggling時間が延長した。ストレス時の胃病変とカルシウム代謝応答および抑うつ反応に室傍核は抑制的に、視床下部腹内側核は促進/増悪的に関与している。 4.視床下部カルシウム調節機構:電気刺激あるいはGABA_A受容体遮断薬ビキュキュリンによる化学刺激実験において、視床下部外側野および腹内側核は迷走神経胃枝を介し、また室傍核は甲状腺/副甲状腺枝を介して血液カルシウム濃度を低下させる作用があった。 5.カルシウム調節ホルモンの中枢作用:副甲状腺ホルモン(PTH)を側脳室や視床下部腹内側核に投与すると、投与後カルシウムイオンレベルが対照に比べ有意に高値を示した。また視床下部腹内側核ニューロンはPTH感受性を示した。これらの結果は、視床下部にカルシウム調節ホルモン感受性機構があることを示唆する。 続きを見る
7.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 異性認知の情動過程
粟生 修司
研究期間: 1997
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概要: 本年度はヒト視覚的性嗜好性に及ぼす嗅覚およびエネルギー代謝の影響を調べ、さらにその脳内過程の一端をサル視床下部外側野で検討した。1)ヒトの視覚的性嗜好性の嗅覚およびエネルギー代謝依存性:自己ペースレバ-押し課題を用いて、視覚的性嗜好性を大学生(男子106名、女子30名)で測定した。ニオイやブドウ糖を負荷しない状態で、男性では36%、女性では25%が女性の画像を長く見た。男性の写真を長く見たのは男女各1名であった。香水存在下では、男性では女性をよく見る人数が有意に増加し、女性では逆に減少した。20gブドウ糖溶液摂取により、男性、女性とも女性の写真を長く見る人の数が減少した。嗅覚やエネルギー代謝情報が視覚的な性嗜好性に影響を及ぼしていることが明らかになった。2)サル視床下部外側野ニューロンの生殖関連嗅覚応答性とグルコース感受性:視覚、嗅覚、エネルギー代謝系のの情報の少なくとも一部は視床下部外側野に収束している。視床下部外側野ブドウ糖感受性ニューロンは非感受性ニューロンと比較して摂食に関連したニオイのアミルアセテート(バナナ臭)とスカトール(糞臭)に対してより有意に高い反応性を示すが、視覚応答性は逆に低かった。アミルアセテートに対して興奮性応答が多く、スカトールに対して抑制性の反応が多い。生殖に関連したニオイであるジャコウとtrimethylamine(TMA、腐敗臭/月経排泄物臭)の反応性を調べると、両群で応答率に差がなかったが、ブドウ糖感受性ニューロンは抑制される場合が多く、逆に非感受性ニューロンは興奮性を示す場合が多かった。視床下部外側野においては視覚、嗅覚およびエネルギー代謝情報は同じニューロンで処理されるというよりも、ブドウ糖感受性ニューロンでニオイとエネルギー代謝の情報が処理され、非感受性ニューロンで視覚と嗅覚情報が処理されている可能性が高い。 続きを見る
8.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 脳内寿命促進機構とその調節因子の解明
粟生 修司
研究期間: 1999-2000
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概要: 寿命は肥満の有無ならびに糖代謝や性ホルモン分泌動態と密接な関連があり、学習記憶機能とも相関する。また、老化と学習記憶過程でカルシウム代謝が重要な役割を果たす。さらにこれらの事象すべてに性差が存在し、発達期の性ホルモン環境が重要な役割を果す。本年度は、1)寿命促進効果を示す酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)と学習機能との機能的連関を調べ、2)寿命および学習促進機構が存在する視床下部外側野外側野が産生するオレキシンの生理作用を調べた。さらに、3)環境エストロゲン様物質の学習機能の性分化におよぼす影響を調べた。 1)海馬にブドウ糖を微量投与すると、空間学習が促進した。この効果はaFGF受容体(FGFR1)抗体の前処置で減弱する傾向があり、aFGFがブドウ糖依存性学習促進機構に関与することを見出した。 2)オライド・ラクトン系摂食抑制物質である2-buten-4-olideは空間学習を促進した。この効果は酸性線維芽細胞成長因子の抗体を側脳室に投与しておくと消失した。 3)短寿命でレプチン受容体異常を示す遺伝的肥満動物のZuckerラットおよびdb/dbマウスは空間学習及び海馬長期増強の障害があり、カルモジュリンキナーぜIIおよびNMDA受容体のMg依存性に異常があることを明らかにした。 4)摂食促進物質のオレキシンを側脳室に投与すると空間学習及び海馬長期増強を抑制する。しかし、受動的回避学習を促進した。不安情動には影響を与えなかったが、侵害受容を抑制した。 5)環境内分泌撹乱化学物質のビスフェノールA及びトリブチルスズの胎児期および授乳期暴露で探索行動や学習学習の性分化が抑制され、さらにノルアドレナリンニューロンが局在する青斑核の性分化が障害されることを見い出した。 続きを見る
9.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ストレス誘発性胃由来カルシウム調節因子の検索とその生理活性測定法の開発 — Identification of stress-induced gastric hypocalcemic factor and its bioactivity
粟生 修司 ; AOU Shuji
研究期間: 1995-1997
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概要: 1) 胃由来カルシウム低下因子検索のため、胃抽出物フラクションの血液カルシウム濃度に及ぼす効果をラットを用いて調べた。粗抽出物で血液カルシウム低下作用を示す分画の精製を進めたが、精製を進めると作用を示さなくなった。別のフラクションでも検索を進めたが現在までに新しくカルシウム低下作用を示す分画は見い出されていない。再度胃から抽出し、活性フラクションの同定を目指したが、新しい標本から活性フラクションは検出できなかった。現在、ヒスタミン投与後の胃静脈血から活性フラグメントを抽出しようとしている。 2) ヒスタミンのカルシウム低下作用は胃切除で消失することから、ヒスタミンは胃に作用して胃由来血液カルシウム低下因子の分泌を促すことが推測できる。ヒスタミン標的細胞として胃免疫系細胞が有望視され、腹腔マクロファージに比べ、胃マクロファージの方がヒスタミン応答性が高いことを見い出したが、反応率は20%を越えることはなく、反応自体も弱かった。エンドトキシンによる増強効果を調べたが、ごく一部の細胞を除いて効果は認められなかった。 3) 血小板活性化因子(PAF)がヒスタミン系とは独立した血液カルシウム濃度低下機構のメディエーターであることを見い出した。PAFの胃および腹腔マクロファージの細胞内カルシウム上昇作用をヒスタミンと比較すると、ヒスタミンのカルシウム上昇作用が20%以下の細胞でしか認められないのに対してPAFは大半の細胞でカルシウム上昇作用を示し、PAFの方ががより強力な作用を示すことが明らかになった。 続きを見る
10.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 異性認知の情動過程
粟生 修司
研究期間: 1996
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概要: 本研究では、雌マカクザルの異性認知機構における視覚情報の役割をレバ-押し課題を用いて行動学的に解析した。また、ヒトの視覚による性弁別機能と性嗜好性も比較検討した。性弁別課題では、半年以上課題遂行を続行することにより、用いた2匹のアカゲザルはどちらも初めて見る写真上のサルの性を80%以上の正解率で弁別することができるようになった。性嗜好課題では、実験に用いた6匹のうち4匹が視覚的な性嗜好性を示した。成熟したニホンザル3匹は繁殖期に撮影した雄のビデオ映像を、若いアカゲザル1匹は非繁殖期の雌の映像をより好んで見た。この性嗜好性は実験時期に影響されず、繁殖期と非繁殖期のいずれも同様の嗜好性を示した。雄映像に嗜好性を示した3匹のうち1匹は、自分自身の季節性変化にも依存した性嗜好性を示し、繁殖期には、非繁殖期には嗜好性を示さなかった非繁殖期の雄映像に嗜好性を示した。ヒトの性弁別課題では、男性被験者は、男性の写真に比べ、女性の写真を有意に早く弁別した。性嗜好課題では、男性の30.1%が女性の写真に嗜好性を示し、残りの69.9%は嗜好性を示さなかった。女性の場合、24.1%が同様に女性の写真に対し嗜好性を示し、残りの75.9%は嗜好性を示さなかった。男性の写真に嗜好性を示したものは男女共いなかった。本研究により雌マカクザルは視覚情報だけで性を弁別でき、少なくとも一部の雌ザルは視覚的な性嗜好性を示すことが分かった。その視覚的性嗜好性は、雌ザル自身の季節変化よりも、視覚対象であるビデオ映像上のサルの季節性変化により強く依存することが明らかになり、サルは視覚対象の季節変化も識別している可能性があることが分かった。ヒトでは、男性の場合、有意に女性の写真を早く弁別できることが分かった。 続きを見る