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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 希少森林植物の生存環境の解明およびジーンダイバシティの評価と保全法の確立 — Elucidation of survival enviroment in scarce forest plants and establishment of evaluation and conservative method in genetic polymorphism
斉藤 明 ; SAITO Akira ; 斉藤 明
研究期間: 1993-1994
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概要: 最初に、ヤツガタケトウヒ(Picea koyamae)について、保全を考える上での考慮因子として、分類及び系統上の位置づけを行った。まず、DNA分子マーカーの一つであるRAPD法とSSCP法を用いて、トウヒ属植物(6種1変種)について系統進化の解明を試みた。その結果、トウヒ属をハリモミ節とトウヒ節の2節に分けている現行の分類を再考する必要のあることが明らかになった。また、ヤツガタケトウヒは、ヒメマツハダと極めて近縁であることがDNAレベルでも確認された。この両樹種は混生し、種間雑種と思われる個体が多数存在しており、DNA分析の結果からも、両種間の雑種の存在が明かとなると共に、両種で遺伝子移入が行われている可能性のあることが強く示唆された。 次いで、屋久島に生育するヤクタネゴヨウについて生存環境調査を行った。この樹種は屋久島と種子島にだけ生育する五葉松であるが、近年個体数が急激に減少している。そこで、下屋久営林署管内の比較的平坦な地区を主に調査対象地とし、その分布域と現存個体数及び更新様式を明らかにした。分布域では、これまで確認されていなかった標高800m域までの生存を確認できた。生育個体数では、従来確認されていない集団が数カ所確認でき、今後詳しい調査を継続することの必要性が示唆された。しかし、いずれの集団もマツノザイセンチュウ病による枯死木が発見され、現状のまま放置すれば個体数の激減は免れないと判断される。更新様式では、分布様式が集中分布型を示し、サイズ構成が集団毎に類似し、さらにギャップ内にだけ稚樹の存在が確認できたので、完全なギャップ更新樹種であると推測された。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 炭酸ガス高固定樹種の検索と遺伝育種学的向上に関する研究 — Screening and breeding of high CO2 fixation ability tree speceis
斉藤 明 ; SAITO Akira
研究期間: 1995-1997
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概要: 九州地方に生育する樹木の中から炭酸ガス固定能力の高い樹種としてセンダンを選抜した。センダンの優良個体を得る目的で、九州の5地域に生育するセンダンから種子を採取し、産地試験を実施した。これらの遺伝変異をRAPD分析により明らかにするとともに、成長特性を明らかにした。加えて、組織培養を用いたセンダンの大量増殖法を確立した。 一方、育種的手法により変異体を作成するための予備試験として、ニセアカシアを材料としたカルス選抜による方法を試みた。以上の結果、以下のことが明らかにされた。 1.産地試験の結果、センダンの成長は地域差、個体差が大きいことが明らかになった。産地試験の中から成長の良好な個体を優良個体として選抜し、組織培養による大量増殖のための材料とした。 2.RAPD分析の結果、離れた地域間ほど遺伝距離が離れ、特に屋久島と種子島の個体と九州本島との遺伝距離が離れていた。 3.センダンの成長特性として、陽性の樹種であることと、養分要求量の大きな樹種であることが明らかにされた。 4.センダンは組織培養による増殖が可能であったが、クローンにより増殖率に差がみられた。 5.ニセアカシアのカルスから植物体を再生するための培養系を確立した 6.ニセアカシアのカルスに塩処理を行い、形質変化を蛋白組成から判断するための方法を確立した。 7.塩処理カルスから再生した個体の遺伝変異を蛋白組成から明らかにした。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of スギ林冠の炭酸ガス固定機能の評価に関する研究 — Evaluation of CO2-fixation capacity in Sugi (Cryptomeria japonica) canopy
斉藤 明 ; 玉泉 幸一郎 ; GYOKUSEN Koichiro
研究期間: 1998-2000
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概要: スギ林冠の炭酸ガス固定機能を明らかにするために、(1)葉の空間分布を決定する枝の構造と、(2)葉の生産性を決定する樹冠内窒素分布について研究した。 (1)枝の構造 スギの枝は分布や密度に規則性が認められ、スギ樹冠の構造は枝を1個のモジュールとしたモデルによって表現された。また、スギでは幹シュートの上位から中位の枝は樹冠の空間獲得の機能、下位の枝は空間充填の機能を持つことが明らかにされた。 間伐により本数密度を変えた場合、樹冠のサイズには差は認められなかったが、着生する葉量とその分布に差がみられ、間伐林分では同化器官の配置を変化させることによって生産性を高めていた。 枝打ちにより葉量を低下させた場合、幹や枝の伸長量はともに低下したが、枝の成長低下率が小さく、結果的に傘型の樹型となった。これは、光合成器官の減少を残った枝への最配置で補おうとした結果であると考えられた。 (2)窒素の分布 当年葉の窒素量は光強度と正の相関にあり、樹冠上部で高く、下部で少なかった。しかし、一年生以上の葉では樹冠の深さや葉齢に関係なく一定の値を示した。さらに、立地が異なる場合の樹冠における窒素分布をモデル化するために、斜面に生育するスギの窒素分布を調べた。この結果、立地が異なってもスギ樹冠の窒素分布は光強度と地位の2因子を用いてモデル化できることが明らかにされた。これらも結果を用いて、窒素分布を取り入れた炭酸ガス固定モデルを構築した。モデルには林冠の窒素分布に関するパラメーターと葉の光合成に関するパラメーターを用いた。スギ林分で得られた値をモデルに代入して計算した結果、適合度の高いモデルであることが確認された。 続きを見る