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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of スパッタ法で作成したチタン酸化物薄膜によるステンレス鋼の高機能化の研究 — Improvement of Stainless Steel by the Titanium Oxide Thin Film Coating with the Sputtering Method
増田 正孝 ; MASUDA Masataka
研究期間: 2001-2002
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概要: スパッタ法を用いて、ステンレス表面に光誘起機能を有するTiO_2薄膜を形成し、超親水性を付加することを主眼に研究を行った。RFマグネトロンスパッタ装置、およびヘリコンスパッタ装置を用いて、ステンレス鋼にTiO_2の薄膜を作成した。 沸騰水環境においては、現在主流であるゾル-ゲル法、ディップ法で作成したTiO_2膜では機能および密着性に問題があり利用できないが、本手法で作製した薄膜に耐性があるかを評価した。これには、本グループで考案した、超微小硬度法で密着性を評価し、沸騰水環境での耐性との関連を求めた。スパッタ法での成膜がディップ法で作成したものより非常に優れた耐性を持つことを示した。また、結晶学的な構造の違いにより、ゾル-ゲル法で作成したものより光誘起機能が優れていることを示した。 自作の接触角測定装置により作成条件と接触角度の関係、時間変化を測定した。さらに、光学特性測定及びXRD測定を平行することにより超親水性の原因を構造面から検討した。ステンレス鋼表面に作製したTiO_2薄膜に優れた光親水性を発現させる条件を見出した。 本研究で作成したTiO_2膜は、下地との密着性及び耐食性の向上ために多層構造を形成している。耐食性の評価にCPCD法などの電気化学的手法を用いて、優れた耐食性、長期安定性があることを示した。これらは製品化する上で非常に重要な特性であるといえる。さらに、紫外線照射したときの光電気化学特性も評価し、本研究の主眼のひとつでもあるTiO_2の光電気化学的酸化作用による不働態維持効果を評価した。 TiO_2薄膜の厚みによる特性変化の測定により、光誘起機能の発現には、150nm以上の膜厚が必要であり、さらに、350nm以上の膜厚で特性変化がなくなることを新たに見出した。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 相変化型光記録用薄膜の腐食の研究
増田 正孝
研究期間: 1988
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概要: 近年、情報記録媒体として磁気記録よりも高記録密度を持つ光記録素子が重要視されている。光磁気記録材料としてガドリニウム-テルビウム系合金の開発がなされ、一部、商品化も進められている。しかし記録・再生ヘッドが大型で、高速移動に問題を残し、再記録速度の点で磁気記録よりも劣っている。光記録では、テルル酸化物で実用化されているが、追記型で再書込ができずCDやLDなどにのみ利用されている。書換え可能な光記録素子としてインジウム-アンチモン、ゲルマニウム-テルル-アンチモン-イオウ系などの化合物の結晶-非晶質、結晶-結晶の相変化を利用する方式が考案され、製品化が待たれているが、これらの材料の腐食が残された重大な課題となっている。本研究ではアンチモン-セレン系の薄膜の光記録特性と腐食特性に関して検討を加え、新たな知見を得た。電子ビーム蒸着法により作製したアンチモン-セレン(Sb_2Se)薄膜が、書換型光ディスク媒体として優れた性質を有していることを見出した。Sb_2Se薄膜は、結晶-非晶質の相変化の際の光反射率変化により情報記録を行なう。その相変化時間(結晶化速度)は、300ns以下と短く高速書込が可能であることを示した。成膜後、無処理の膜は非晶質であるが、210℃、10分間の熱処理によって結晶化する。この結晶構造は準安定相である。結晶化温度として、195±5℃を、結晶化の活性化エネルギーとして2.9eVを得た。反射率コントラストはSb_2Se膜厚75〜85nmで最大値を示した。基板/SiO_2(50nm)/Sb_2Se(75nm)/SiO_2(150nm)/Al(100nm)の構造の記録実験用ディスクを作成し、静止記録・再生実験を行ない、10回の書換後も記録・消去特性の劣化は見られないことを確認した。また、800Hの信号を線速度2m/sで記録したディスクの再生において37dBのS/N比が得られた。アクリル被覆したものは、耐食性が劣っていたが、石英被覆したものは、加速試験で、充分な耐食性を示した。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 高機能超親水性酸化チタン薄膜の作製とその応用に関する研究 — Formation of high performance hydrophilic titanium oxide thin films
有田 誠 ; ARITA Makoto ; 増田 正孝
研究期間: 2008-2010
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概要: スパッタリング法により形成された酸化チタン薄膜における光誘起親水性・光触媒活性の支配因子を探るために、様々な酸化膜を作製しその諸特性を調べた。二層構造膜の特性より、スパッタリング圧力が活性に強く影響することがわかり、光電気化学的測定から光電流密度と光触媒活性の対応が示された。表面付近におけるバンド傾斜の大きさが光誘起親水性・光触媒活性および光電流密度と良い一致を示すことが判明し、これらが酸化チタン薄膜の光誘起親水性・光触媒活性を支配する要因になっていることが示唆された。 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of フロン分解システムのための耐食性コーティング材の開発とその評価
増田 正孝
研究期間: 1993
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概要: 生産性に優れた成膜方法としてRFマグネトロンスパッタ法を用い、高耐食性酸化皮膜をステンレス鋼に保護皮膜として施すことを検討した。成膜された皮膜の機械的特性として、密着性を評価し、耐食性評価として電気化学特性を計測した。密着性の評価法として新しく、微小硬度測定による方法を構築し、従来、絶対的評価が困難であった密着性を密着指数で評価する方法を提案した。成膜された保護皮膜のピンホール欠陥は、液晶法で評価した。本法によれば、皮膜の欠陥を非破壊で、その分布までも検出することができ、画期的な欠陥評価法であるといえる。本法は酸化皮膜のピンホール欠陥のみならず、他の薄膜の微小貫通欠陥を検出する方法としての利用価値が高いことを示した。流動法により酸化皮膜の表面電荷を計測し、耐食性と表面電荷の関連を調べ、酸化皮膜の表面電荷零pH(pH_<pzc>)が耐食性に影響を与えることを検証した。pH_<pzc>の異なる皮膜を多層に積層することにより、耐食性をそれぞれの酸化物の単層膜よりも向上させることが可能であることを示した。この技術により、成膜過程で不可避なピンホール欠陥の影響をより低減する効果も期待できることを示した。 続きを見る
5.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of MBEにより作製した磁性薄膜の構造と特性に関する研究 —
増田 正孝 ; MASUDA Masataka
研究期間: 1997-1998
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概要: MBE装置によりPt/Co人工格子膜を作製した。成膜中の"in situ"RHEED分析により、膜構造に与える成長速度・基板温度の影響を評価し、最適成膜条件を決定した。シリコン(111)基板上に成膜する条件として、バッファ層に473Kで成膜したPt層20nmが最適であることを見出した。AFMにより薄膜表面形状の精密測定を行い、作製した膜の界面歪、整合性を評価した。薄膜X線回折装置により、膜の構造を精密評価し、人工格子膜としての積層の質の定量化を試みた。MBE装置と超高真空トンネルで連結されたXPSによる組成分析では、膜面垂直方向にnmオーダーで組成変調が形成されたことを確認した。VSMによる磁気特性測定の結果により、膜の人工格子周期、成膜条件による磁気特性の変化を論じた。MFMによる膜表面の磁区構造観察では、Co層周期が大きくなるほど、磁区サイズが減少することを見出した。これは、磁気エネルギーを静磁気エネルギーと磁壁ネルギーの総和で評価することにより説明された。MFMの測定結果は90度磁壁と45度磁壁で囲まれた磁区による静磁場ポテンシャルを境界要素法で計算したものと比較検討することにより、人工格子膜の磁区構造を議論した。申請により購入したホール測定装置を改良し、±5kOeの磁界中でホール特性だけでなく巨大磁気抵抗効果を計測可能なものとした。界面構造の変化により磁気特性が大きく変化することを確認し、MBE法だけでなく、スパッタ法で作製した膜でも検討を進め、グラニュラー構造の薄膜での磁気特性も論じた。燒鈍により界面構造を変化させたときの磁気特性、X線回折構造測定を行い、傍証とした。 続きを見る
6.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of MBE法による磁性薄膜の作製、及び、その構造と特性に関する研究
増田 正孝
研究期間: 1994
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概要: MBE装置を用いてPt/Co人工格子の作製を行った。Co原子周期2Åから4Åの人工格子で制御した、これはCo原子1層から2層の厚みに相当する。このようなオーダーの成膜を原子レベルで制御可能であることが確認できた。成膜基板種類、成膜温度、成膜速度などを実験変数とし、これらがどのように薄膜の構造に影響を与えるのか、また、その構造と磁気特性との関係を明らかにした。成膜中のRHEED観察では、明確なストリークを確認することができ、この膜が原子レベルの平滑性を保ちながら成長したことを裏付けている。作製した磁性薄膜の特性はVSMにより測定した。これにより、薄膜面に対して垂直方向に磁化容易軸を持つ面直磁気異方性の優れた膜となっていることがわかった。AES/XPSによる分析により、これらの薄膜は、Pt原子とCo原子とで合金化せず、良好な界面を形成していることが確認できた。低角X線回折による人工格子構造解析では、8次を越える人工格子ピークが確認され、人工格子膜が非常に規則正しく積層されたことを示している。この試料を熱処理すると、熱拡散により周期構造の緩和が生ずるが、この変化をX線回折により連続測定すると、各ピーク強度の減少が確認されるが、新しい現象として、2次ピーク強度が一時増加し、その後減少することを見出した。これを説明するため、モンテカルロ法を用いた計算機シミュレーションを行い、薄膜の形成モデルとしてコラム構造モデルを提案し、理論的な裏付けを行った。 続きを見る
7.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 水素導入による人工格子膜の磁気特性修飾の研究 —
増田 正孝 ; MASUDA Masataka
研究期間: 1999-2000
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概要: 水素は物質中に容易に侵入し、かつ、物質中の格子空間を自由に移動し得るとともに、材料格子欠陥などと種々の相互作用を持つことから、新しい機能の発現が期待されている。本研究では、人工格子膜に水素を導入することにより、その磁気特性を改良、改変することを目的としている。申請者らは、現在までに、MBEやrfスパッタ装置などを用いて、Co-貴金属系の人工格子膜を作製し、その磁気特性と構造の関連を探査・研究してきた。その過程で、エピタキシャル成長した人工格子膜を熱処理すると、初期段階で、磁気特性が改良される現象を見出した。これは、Co原子周りの格子歪み緩和、再配列により、Co原子の電子状態が変化したためと考えられるが、未だその詳細な機構は解明されていない。この現象を確認するために、水素をイオン照射により人工格子膜に導入した。その結果、X線による構造変化は検出されなかったにもかかわらず、磁気特性に明らかな変化が認められた。本研究では、水素の人工格子への導入により発現する磁気特性のダイナミックスを明らかにすることを主眼に、新機能材料の創製を目指した。 新規に導入した超精密電気抵抗測定システムにより、半導体、絶縁体の電気抵抗を磁場内で測定することが可能となり、より広範に研究を進展させることができた。AlN、CuNなどの比抵抗が極めて大きい物質の水素導入による電気抵抗変化も評価することができた。また、GMRやTMRなどの磁性薄膜を作成し、その電気-磁気特性を精密に測定することにより、水素導入による界面変化、歪緩和の効果を評価した。この結果、GMR、TMRでは常温で2%を超える磁気抵抗変化率を観測した。Pd-Co人工格子膜では、水素導入により、導入量とともに、磁化容易軸が膜面直から膜面内に変化することを見出した。これは歪誘起磁気異方性を裏付けるものである。これらは、水素導入による新機能材料の開発の可能性を示したもので意義深い。 続きを見る
8.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 機能性薄膜の微小欠陥評価の研究
増田 正孝
研究期間: 1995
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概要: 種々の機能性薄膜を作製した時に不可避に生ずる微小欠陥を検出する手法として、液晶のDSM現象による方法を提案し、その定量化を試みた。機能性薄膜の対象として、鋼材を基板にセラミック皮膜をRFマグネトロンスパッタ法で作製した。鋼材の高耐食化の研究の一環として多くのグループにより共同で進められているセラミックス被覆法は、その皮膜の種類、成膜方法などの検討がなされ、多大の成果を得ている。しかし、その過程の中で、皮膜に不可避に貫通欠陥が存在することが指摘され、それを定量化し評価する手法が模索されていた。本研究で提案した液晶DSM法では、他の手法にはない、欠陥からの腐食電流を可視化することが可能な手法として、その分解能の高さとあいまって注目を集めた。本研究では、これを進め欠陥位置の検出だげでなく、欠陥を定量化することを試みた。液晶DSM法により光学的に検出された欠陥は画像データとしてコンピュータに取り込まれ、DSM現象の電圧・電流による変化を皮膜欠陥からの電流分布のシミュレーション結果と照らし合わせることにより、欠陥の形状を評価し、欠陥の程度を定量化した。本システムでは、超高速での画像データの取り込みが可能であり、DSM現象の高速の時間変化を正確に処理することが可能である。液晶厚さ、電圧によりDSM像が影響されることを指摘し、その更正法を提案するとともに、本手法による欠陥の検出能限界も指摘した。これにより、貫通欠陥を非破壊で検出し、しかも定量化することが可能となり、耐食性皮膜だけでなく、他の多くの機能性薄膜の欠陥検出法への応用性を示した。 続きを見る