サイトカインを介した造血幹細胞の増殖と分化の制御機構の解析

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サイトカインを介した造血幹細胞の増殖と分化の制御機構の解析

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
仁保 喜之(九州大学・医学部・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1998
概要(最新報告):
G-CSFは好中球系細胞の増殖、分化、機能発現、アポトーシスを調節しているサイトカインである。そこで、本研究では、好中球系造血に破綻を来した種々の造血異常症におけるG-CSF受容体および細胞内シグナル伝達蛋白の遺伝子解析を行ない、病態との相関からヒト造血におけるG-CSF刺激伝達系を遺伝子レベルで明らかにすることを目的とした。 最初に、先天性好中球減少症の1例において、G-CSF受容体膜貫通部近傍の増殖シグナル領域に構造異常を発見した。この変異G-CSF受容体を遺伝子導入したLGM-1細胞はG-CSFに対する増殖反応性が著しく不良であり、分化成熟能は比較的保たれていた。 一方、分化成熟シグナル伝達に必須であるG-CSF受容体細胞内領域のC末端側が欠損した先天性好中球減少症の症例も経験した。そこで現在は、増殖シグナル領域および分化成熟シグナル領域に変異のあるG-CSF受容体をそれぞれ細胞に遺伝子導入し、細胞内シグナル伝達蛋白のリン酸化を観察するなど純粋な実験系で比較検討を行なっている。この方法により、G-CSFの機能に特異的な刺激伝達系の解析が可能となった。 一方、複数例の骨髄性白血病においてもG-CSF受容体およびJak l、Jak 2、Tyk 2の遺伝子解析を行なったが、これまでに病態と関連する遺伝子変異は発見できていない。現在は、CFLPなどを用いて多数例で遺伝子解析を繰り返すとともに、転写因子にも範囲を広げて検索を行なっている。先行実験の結果では、白血病細胞においてStat 3のisoformの遺伝子発現に不均衡を認め、詳細な解析を急いでいる。 以上の研究結果は、ヒト造血におけるG-CSF刺激伝達系の一端を解明する手掛かりになるとともに、造血異常症の病態解明にも大きく寄与することとが期待される。 続きを見る
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