活性酸素による神経細胞死とその防御機構の解析

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活性酸素による神経細胞死とその防御機構の解析

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
中別府 雄作(九州大学・生体防御医学研究所・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1998
概要(最新報告):
我々はこれまで活性酸素による酸化障害の対象として遺伝子の本体であるDNAに注目し、その酸化障害の化学的実体の解明と障害に対する防御機構の解明を進めてきた。この研究の過程で、活性酸素はDNAと直接反応してその切断や塩基の酸化(8-オキソグアニンの生成等)をひき起こすだけでなく、DNAの前駆体であるデオキシリボヌクレオシド三リン酸を直接酸化する事を明らかにした。dGTPの酸化体の1つである8-oxo-dGTPは、DNAの複製に際して鋳型DNA上のアデニンに対して取り込まれ誤った塩基対合を形成するため遺伝情報の正確な伝達と発現を妨げる。GTPの酸化体である8-oxo-GTPも同様に生じるが、これは遺伝子の転写の際に誤ってUTPの代りにRNAに取り込まれ、遺伝情報の正確な発現を妨害する。我々は、このような核酸の酸化障害に対する生物の防御機構について研究を進め、(1)ヌクレオチドプール中の8-oxo-dGTPを分解、排除する酵素(ヒト:MTH1蛋白質)と、(2)ゲノムDNA中に存在する8-オキソグアニンの除去修復酵素(ヒト:OGG1蛋白質)が、大腸菌からヒトまで普遍的に存在することを明らかにした。 ヒトOGG1 mRNAには択一的スプライシングにより2つのタイプ(タイプ1、2)が存在することが知られている。今回我々は、RT-PCRによりヒトOGG1 mRNAの構造を解析し、タイプ1はさらに2つのサブタイプに(1a、1b)、タイプ2は5つのサブタイプ(2a、2b、2c、2d、2e)に分かれる事を明らかにした。このうちJurkat細胞では、それぞれタイプ1aと2aの発現レベルが最も高かった。各mRNAがコードする7つのヒトOGG1蛋白質は、N末端側の190アミノ酸残基を共有し、それぞれユニークなC末端領域を持つ。タイプ2a蛋白質のC末端領域を認識する抗体を用い、ヒト細胞のミトコンドリア分画をウエスタンブロッティングで解析したところ、40.5kDaの蛋白質が検出された。ミトコンドリア固定切片をこの抗体と金コロイド標識プロテインAと反応後、電子顕微鏡で観察したところ、その内膜に金コロイドのシグナルが検出された。組み換え蛋白質の発現実験から、タイプ2a蛋白質はそのN末端のミトコンドリア移行シグナルとC末端領域に依存してミトコンドリアに移行することが明らかになった。一方タイプ1a蛋白質は、そのC末端領域に存在する核移行シグナルに依存して核に局在する。 種々のヒト組織におけるOGG1mRNA量をノーザンブロッテイングおよびRT-PCRで定量したところ、OGG1mRNAのレベルは脳組織において最も高く、かつタイプ1a、2aがメインであった。このことは、脳・神経細胞においては核やミトコンドリアDNA中にの8-オキソグアニンが効率良く修復されていることを示唆する。 続きを見る
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