ヒト消化器癌において化学療法感受性を規定する遺伝子学的諸因子の同定

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ヒト消化器癌において化学療法感受性を規定する遺伝子学的諸因子の同定

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
前原 喜彦(九州大学・医学部・助教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1998
概要(最新報告):
本年度は主に、p53と抗癌剤感受性についてのin vitro、in vivoの検討が終了した。in vitroの研究では、消化器癌の細胞株においてもp53の遺伝子異常をもつものでは抗癌剤の感受性が低く、しかも抗癌剤によるアポトーシスが誘導されないことを明らかにした(Yamamoto,M.et al.Cancer Chemother Pharmacol 43:43-49,1999)。ヌードマウスを用いたin vivoの検討においては、抗癌剤の感受性はアポトーシスの誘導と明らかな相関を認めたが、p53の異常とは必ずしも相関しなかった(Oki,E.et al.Br J Cancer 78:625-630,1998)。 ミスマッチ修復系ついてはこれまで、正確にこれを評価する方法を確立してきたが、現在はミスマッチ修復欠損マウス線維芽細胞の5-FUの感受性について解析を行っている。今後はミスマッチ修復遺伝子の発現ベクターを用いた解析を進めていく予定である。また、極めて興味深い結果を得た5FUに加え、現在シスプラチンによる解析も行っている。シスプラチンについてはミスマッチ修復に加えヌクレオチド除去修復もその感受性に関与することが予想されている。ヌクレオチド除去修復能を臨床的に評価可能な解析系の構築も今後は行っていきたい。一方、臨床検体を用いたミスマッチ修復異常の検索は既に500例以上の解析を終了し、胃癌、大腸癌、食道癌、などで既に多数の陽性症例を同定するに至っている。これらの陽性症例はp53異常と各症例の化学療法の奏効度などの臨床データが得られるにはまだ相当の時間を要すると考えられる。これらの検討に加え本年度は、以前確立した解析系で、真にどのようなミスマッチ修復遺伝子異常が検索することが可能であるかも明らかにした(Oki,E.et al.Oncogene 18:2143-2147,1999)。このように、DNA修復能を正確に評価する基本解析系の開発を軸とし、これを用いた細胞株、臨床検体両者の解析を両輪として研究を進めている。今後はDNA修復遺伝子以外の因子の関与にも注意を払い、抗癌剤感受性を規定する遺伝学的諸因子の同定に向けて研究を進めていきたい。 続きを見る
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