血管内皮細胞由来一酸化窒素の産生抑制によって生じる血管再構築の分子機序の解明-標的分子の抑制による生体レベルでの病態解析-

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血管内皮細胞由来一酸化窒素の産生抑制によって生じる血管再構築の分子機序の解明-標的分子の抑制による生体レベルでの病態解析-

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
MOLECULAR MECHANISMS OF CARDIOVASCULAR REMODELING INDUCED BY CHRONIC INHIBITION OF NITRIC OXIDE SYNTHESIS : ROLE OF NF-κB AND MCP-1
責任表示:
竹下 彰(九州大学・医学研究院・講師)
TAKESHITA Akira(九州大学・医学研究院・講師)
本文言語:
日本語
研究期間:
1998-2000
概要(最新報告):
高コレステロール血症、高血圧症、糖尿病、加齢、喫煙などの冠危険因子の存在によって内皮細胞由来一酸化窒素(nitric oxide,NO)の活性は障害される。また、内皮NOは血管壁での血小板凝集、炎症、増殖、酸化ストレス等を抑制する。これらの成績は、冠危険因子が動脈硬化病変を促進する機序の少なくとも一部に内皮NO活性の低下が関わっていることを示唆する。我々は血管内皮NO産生を抑制すると7日以内に血管壁の炎症性増殖性変化が生じ、28日以降には血管壁再構築(血管壁肥厚、線維化)が生じることを報告した。そこで本シンポジウムでは、NO産生抑制ラットモデルにおける血管壁再構築の分子機序を紹介する。 1.炎症性増殖性変化 正常ラットにNO合成阻害薬(L-NAME)を投与すると、7日以内に冠血管壁に炎症性変化{単球の浸潤、monocyte chemoattractant protein-1(MCP-1)産生、myofibroblast出現、など}、増殖性変化(PCNA陽性細胞の増加)、が生じた。28日以降に血管壁の構築異常が生じた。 2.酸化ストレスの増加 内皮NO産生抑制によって血管壁からの活性酸素種の産生が増加した。また、酸化ストレスによって活性化される転写因子(NF-κB.AP-1)の活性の増加を認めた。 3.局所アンジオテンシン系の活性化とその重要性 局所ACE活性は上記炎症性変化や酸化ストレスの増加とほぼパラレルに増加した。上記炎症性増殖性変化、MCP-1発現、NF-κB活性化などはすべてangIIAT1受容体拮抗薬によって抑制された。この成績から、局所angII系の活性化が内皮NO産生抑制による血管壁再構築に中心的役割を果たすことが明らかとなった。 4.NF-κBならびにMCP-1の重要性「decoy strategy」を用いてNF-κBの機能をブロックすると上記炎症性増殖性変化とMCP-1発現増加が抑制された。また、変異型MCP-1遺伝子導入によってMCP-1シグナルをブロックすると炎症性増殖性変化が抑制できた。したがって、局所angII→酸化ストレス→NF-κB→MCP-1発現増加が内皮NO産生抑制による血管再構築の分子機構の中心経路である。 結論 内皮NOは局所angII系を抑制することよって血管壁の病的再構築を少なくすることが明らかとなった。内皮NOの抗動脈硬化作用はこの機構によってもたらされている可能性がある。内皮NO活性を保つことが冠危険因子による血管病治療の新たな標的となるであろう。 続きを見る
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