肝細胞癌における腫瘍細胞内pH制御による腫瘍選択的抗腫瘍療法の基礎的検討

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肝細胞癌における腫瘍細胞内pH制御による腫瘍選択的抗腫瘍療法の基礎的検討

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
pH regulating therapy for hepatocellular carcinoma
責任表示:
定永 倫明(九州大学・生体防御医学研究所・助手)
SADANAGA Noriaki(九州大学・生体防御医学研究所・助手)
山懸 基維(九大・生体防御医学研究所・助手)
本文言語:
日本語
研究期間:
1998-1999
概要(最新報告):
固形腫瘍の微小環境下では、正常組織と比べ細胞間pHは酸性化傾向にある。この原因を究明したところ、従来考えられていた解糖系より生じる乳酸に加え、TCA回路から発生する二酸化炭素の関与も重要であることが示された(Yamagata M.et al.,Br J Cancer 1998)。低pH下にある固形腫瘍の細胞内pHは正常と同程度に維持されている事に着目し、この制御機構である細胞膜上の特定のイオンポンプ)(N+/H+ antiport、Na+依存性HCO3-/Cl-exchanger)阻害剤を用いた抗腫瘍療法を検討した。Target腫瘍として血管塞栓療法(TAE)がその治療法として有効で、同治療では腫瘍組織が酸性化し、pH制御療法が効果的と考えられた肝癌を選択した。ヒト肝癌細胞を用いたin vitro実験で、上記2イオンポンプ阻害剤(各々EIPA:5-(N-ethyl-N-isopropyl)amiloride、DIDS:4,4-diisothiocyanstilbene 2,2-disulfonic acid)の6時間曝露により細胞外pHを6.6環境下で生存細胞率100分の1と著明な殺細胞効果を認めた。この抗腫瘍効果は低酸素条件下で10倍の増強を認め、in vitroでは、抗腫瘍療法薬として満足できる結果であった。ヌードマウスを用いた大腿部移植ヒト肝癌腫瘍に対する同療法の抗腫瘍効果実験では、副作用の具現化しない量の投与で著明な腫瘍の壊死、腫瘍増大の抑制を認めた。この治療実験にて腫瘍非壊死部の腫瘍細胞を分離培養して、低酸素環境耐性肝癌細胞株とし、in vitroにて上記イオンポンプ阻害剤の抗腫瘍効果を判定したところWild type株に比べ、、治療耐性を示した。肝に腫瘍を移植する肝癌モデルの確立は、技術的目的で達成できなかったため、実際のTAE療法との併用効果については今後の検討が必要である。 続きを見る
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