組み換え型分子クローンを用いた自然感染による慢性脊髄炎動物モデル

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組み換え型分子クローンを用いた自然感染による慢性脊髄炎動物モデル

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
Induction of chronic inflammatory myelopathy in rats infected with recombinant HTLV-I
責任表示:
吉良 潤一(九州大学・大学院・医学系研究科・教授)
KIRA Jun-ichi(九州大学・大学院・医学系研究科・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1998-1999
概要(最新報告):
ヒトHTLV-I感染症では,HTLV-I-associated myelopathy(HAM)をはじめとして,関節炎,ぶどう膜炎,肺胞気管支炎などの多臓器の炎症と免疫異常がみられる。HTLV-I関連疾患の病態機序の解明には、その動物モデルが必要である。これまでヒト成人T細胞性白血病(ATL)患者由来のT細胞株(MT2)をWKAラットに接種して誘導した脊髄症がある。しかし,これは脊髄でのリンパ球浸潤や免疫異常もなくヒトのHAMとは大きく異なる。一方,HTLV-I遺伝子を導入したトランスジェニックマウスやラットでは,関節炎を生じるが脊髄炎は全く発症しない。私どもは,HAM患者由来のT細胞株を多数樹立し,その中の1株(Fuk株)が自然感染によりWKAラットで慢性関節リウマチに酷似した関節炎を誘導することを見出した。一方,MT2細胞接種のラットでは炎症を伴わない脊髄症を生じた。このことは接種するHTLV-Iの株の違いにより病像が大きく異なることを強く示唆した。そこで,MT2細胞およびFuk株のHTLV-IのDNA塩基配列の決定と,それぞれの感染性cDNAクローンの作成を試みた。これは,HTLV-I感染に伴う種々の病態の発症に対する機序の解明に重要と考えられた。つまり,両者の違いを塩基配列上およびアミノ酸配列上で明かにし,さらに両ウイルス間のキメラを作ることで,その病態に関わった遺伝子部位あるいは蛋白の同定が可能となるからである。これまで,HTLV-Iの感染性cDNAクローンの作成は困難であったが,Deresら,Collinsらの報告以来,技術的に可能となった。我々は現在,彼らの方法を参考にして,Pfu DNAポリメラーゼを用いたPCR法にてHTLV-I遺伝子を増幅し,感染性cDNAクローンを作成中である。一法HTLV-I関連疾患ではpX領域が重要とされているが,今回,MT2細胞,Fuk株のpX領域のシークエンスを行ったところ,Fuk株で数カ所(pX領域後半部)の塩基の変異とそれによるアミノ酸配列の変異を見出した。今後は感染性cDNAクローンを完成し,直ちに動物への感染実験を開始する予定である。 続きを見る
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