中国食道癌多発地域および本邦における食道癌化機構の比較検討-マイクロサテライト不安定性解析による検討-

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中国食道癌多発地域および本邦における食道癌化機構の比較検討-マイクロサテライト不安定性解析による検討-

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
杉町 圭蔵(九州大学・大学院・医学系研究科・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1998-2000
概要(最新報告):
本研究は、食道癌発生のハイリスク地域である中国北部地方と本邦の食道癌発生様式を比較検討し、食道発癌の分子機構を解明することを目的とした。対象は中国Linxian地方と本邦の術前無治療食道癌切除例おのおの150例である。平均年齢は日本64.8歳、中国58.1歳で中国が低く、男女比は日本129:22、中国110:41で中国に女性が多かった。食道癌の家族歴は日本3.3%、中国13.9%と中国に多く、日本では飲酒指数(合/日X年)100以上の大酒家が31.8%、喫煙指数(本/日X年)1000以上の多喫煙家が30.0%に対し、中国ではそれぞれ7.9%、5.3%と日本が多かった。中国の食道癌は日本より若く発症し、女性に多く、食道癌の家族歴が多く、飲酒、喫煙の関与は少ないことにより、何らかの遺伝的因子、感染、環境などが関与している可能性が示唆される。次にp53異常率を免疫染色で比較すると、日本55.3%(83/151)、中国43.3%(65/151)と、日本が多かった(p<0.05)。中国ではp53異常と飲酒歴、喫煙歴との間に関係を認めず、日本では大酒家、多喫煙家症例にp53異常症例が多く、大酒家かつ多喫煙家では94.1%(16/17)と高率にp53異常を認めた(p<0.01)。日本の食道癌発癌に少なくとも飲酒、喫煙が関与し、その経路にはp53異常が関わっていることが示唆された。high risk症例を除いたHPV感染頻度は日本4.3%、(1/23)、中国22.2%(28/126)と中国が高く、中国の食道癌にHPV感染の関与が示唆された。Microsatellite Instability陽性例は日本8.0%(4/50)、中国4%(2/50)であり、臨床病理学的因子とは明らかな関係を認めなかった。日本、中国とも食道癌発癌におけるミスマッチ修復異常の関与の可能性は低いと考えられた。今後はそれぞれの癌発生における分子機序に関して研究を進めていく予定である。 続きを見る
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