鎮痛オピオイド受容体活性化分子機構の解明

閲覧数: 8
ダウンロード数: 0
このエントリーをはてなブックマークに追加

鎮痛オピオイド受容体活性化分子機構の解明

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
Joint Study on Molecular Mechanism of Opioid Receptors
責任表示:
下東 康幸(九州大学・大学院・理学研究科・教授)
SHIMOHIGASHI Yasuyuki(九州大学・大学院・理学研究科・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1997-1999
概要(最新報告):
本研究は当初、科学研究費・国際学術研究の共同研究としてスタートした。本研究の「オピオイド受容体にエンケファリンを内蔵させる」着想は、酵素・トロンビンの特異的受容体から得た。7回膜貫通型のトロンビン受容体は、受容体自身にリガンドを内蔵するきわめて構造特異な受容体である。酵素トロンビンが末端ペプチドを切り放し、リガンドを露出されて、受容体は活性化される。一方、化学合成したリガンドペプチドは、トロンビンの作用しない、謂わば眠った受容体に結合し、活性化する。申請者等はこの受容体-リガンド相互作用の特異さに着目した。すなわち、受容体に内蔵させたエンケファリンと、外部から加えるエンケファリン(誘導体)を使い分け、駆使しながら受容体応答を解析できる可能性に思い至った。 当初はエンドルフィンN端8残基(N末端5残基はエンケファリンの配列に相当)を挿入することとし、δ型とμ型のN端延長ペプチドの末端側をトロンビン受容体N末端部位で置き換えた形の変異受容体を設計した。すなわち、トロンビン結合部位・酸性アミノ酸クラスター、リガンド相当部位、トロンビン切断部位、さらに末端ペプチド配列標識としてM1エピトープを順次結合させた変異受容体を構築した。そして、これをCHO細胞に発現して調べたが、外部リガンドの活性化は受けたものの、酵素・トロンビンでは完全な活性化には至らず、内臓リガンドの確認を得ることができなかった。そこで、細胞膜外N末端領域を基本的にトロンビン受容体のものを用い、これのリガンド部位にエンケファリン(5残基)を挿入したδ型オピオイドキメラ体を作製することにした。 δオピオイド受容体cDNAクローン(dor)の細胞膜外のN端領域にLeu-エンケファリン配列(Tyr-Gly-Gly-Phe-Leu)に相当するオリゴヌクレオチドを挿入したδオピオイドキメラ体クローン(pador)を作製し、COS-7細胞で発現させた。発現した受容体タンパク質・PADORのN末端部にはタンパク質標識M1エピトープが組込まれている。そして、これを認識する抗体を用いたウエスタンブロッティング法により陽性となり、受容体の細胞膜への発現が確認された。このPADORは、通常のδ型受容体と同様にアゴニスト・デルトルフィンIIが結合し、受容体は活性化された。興味深いことに、アルカロイドリガンドとペプチド性リガンドでキメラ受容体に対する結合能に違いが見られ、ペプチド性リガンドのキメラ受容体に対する結合能が10倍以上低下した。これより、δ型オピオイド受容体の細胞膜外N端領域はリガンド認識に重要な役割を担っていることが判明した。酸素・トロンビンで受容体PADORを処理すると、N末端部は切断され、エンケファリンが露出されることになるが、このことをN端遊離のエンケファリン配列のみを認識する抗体(3E-7)によるウエスタンブロッティング法により確認した。内臓エンケファリンの露出による受容体活性化は非常に小さく、必ずしも十分とは言えなかったが、本研究により「受容体にそのリガンドを内臓させる」方法論が確立され、受容体分子機構解析の新規な分子ツールの開発に成就した。 続きを見る
本文を見る

類似資料:

8
オピオイド受容体探索子の設計と合成 by 兼松 顯; KANEMATSU Ken; 兼松 顕
8.
オピオイド受容体探索子の設計と合成 by 兼松 顯; KANEMATSU Ken; 兼松 顕