発達期におけるシナプス競合および脱落のメカニズムの解明

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発達期におけるシナプス競合および脱落のメカニズムの解明

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
鍋倉 淳一(九州大学・医学部・助教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1997
概要(最新報告):
発達後期において機能している神経連絡網の広範な脱落が観察される。このシナプス脱落の機序をマウス胸鎖乳突筋および僧帽筋の神経筋接合部において検討した。未熟動物においては、個々の骨格筋細胞には複数の脊髄運動神経細胞からの軸索が入力している。生後複数入力をもつ筋細胞数は減少し、生後3週目には一つの筋細胞には一つの運動神経終末のみが存在するようになった。ブンガロトキシンでシナプス伝達をブロックするとこの過程は遅延した。逆に、伝達を促進すると終末の脱落は促進された。この結果から、シナプスの脱落はactivity-dependentな過程であることがわかる。 複数入力の存在する筋細胞において、個々の神経終末によって筋細胞に惹起される終板電位の大きさは生直後ではほぼ同じである。その後、次第に終板電位の大きさに差が生じ、最終的には小さな終板電位しか惹起できない神経終末は消失してしまう。個々の神経終末から放出されるシナプス小胞数(quantal content)を調べた結果、強い神経終末から放出されるシナプス小胞の数と弱い神経終末から放出される数との比は次第に大きくなった。一方、微小終板電位の大きさを比較すると、しばしば弱い神経終末由来の微小終板電位は強い終末由来のものと比べ小さいものが観察され、quantum sizeの大きさにも差があることが判明した。また、弱い神経終末直下のアセチルコリン(ACh)受容体濃度に非常に希薄な部分がしばしば観察された。この結果から、弱い神経終末下のACh受容体密度が希薄なため、微小終板電位の大きさが強い神経終末のものに比べ小さいことが推測される。 以上のように、脱落してゆく神経終末はquantal contentの減少および終末下のACh受容体密度の希薄化によるquantum sizeの減少に起因する機能的脆弱化をともなっていることが考えられる。 続きを見る
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