偏光走査近接場光学顕微鏡による結晶性高分子薄膜の局所構造評価

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偏光走査近接場光学顕微鏡による結晶性高分子薄膜の局所構造評価

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
高原 淳(九州大学・工学部・助教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1997
概要(最新報告):
平成9年度は、ポリエチレン球晶薄膜およびポリエチレン単結晶を調整し、その走査フォース顕微鏡および偏光下での近接場光学顕微鏡(SNOM)観察を行った。 重量平均分子量、Mw=520kの多分散ポリエチレンの1wt%p-xylene溶液よりポリエチレンの薄膜を調整した。この薄膜を通常の偏光顕微鏡で観察したが、明確な球晶構造は観察されなかった。この薄膜のトポグラフィー像および偏光SNOM像(透過モード)を、近接場光学顕微鏡を用いて観察した。光源として、アルゴンレーザー(波長488nm)を用いた。偏光観察の場合、光ファイバーに入射直前にλ/4板を挿入して、プローブからの出射光を直線偏光にした。またフォトマル直前の検光子は直交ニコルの状態にセットした。この条件での偏光比は1:20であった。トポグラフィー像の中心の明るい部分は球晶の核に相当し、暗い部分は成長したラメラが衝突した球晶界面である。非偏光状態ではSNOM像のコントラストは不明確であったが、偏光状態では球晶の界面が明確になった。また偏光子と検光子の方向にマルターゼクロス様の暗い部分が観察された。 ポリエチレン単結晶は、折り畳み結晶の基本単位であり、その構造を理解することは高分子材料の構造・物性制御と関連して極めて重要である。重量平均分子量、Mw=32kの単分散HDPEの0.01wt%p-xylene溶液を調製し、self-seeding法により単結晶を調製した。単結晶析出溶液をシリコンウエハ-あるいはスライドガラス上に滴下して観察試料を調製した。透過電子顕微鏡観察で観察された像と対応したAFM像が観察された。また中央部には中空ピラミッドの崩壊による高さ数十nmのひだが観測された。単結晶の厚みは12nmであった。また一部にらせん成長が観察された。一枚の板状晶の水平力顕微鏡観察により、単結晶表面での分子鎖折りたたみ構造を検討した。隣接するセクターで水平力のコントラストが観察された。これはMw=32kの単結晶表面で分子鎖が規則的に折りたたまれていることを示している。この単結晶についてクロスニコル状態、透過モードでSNOM観察を行ったポリエチレン結晶はc軸を光軸とする単軸性の結晶であり、板状晶では光軸は板状晶に垂直であるため一枚の板状晶部分ではSNOMのコントラストは明確ではなかった。一方、らせん成長した単結晶の頂上部分は明るく、光学的異方性の存在が観察された。 続きを見る
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