コバルト-炭素結合を鍵中間体とする分子変換反応

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コバルト-炭素結合を鍵中間体とする分子変換反応

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
久枝 良雄(九州大学・工学部・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1997
概要(最新報告):
金属酵素の1つであるビタミンB12はコバルトを中心金属とする錯体であり、その触媒作用は有機合成科学的観点から極めて興味深い。B12酵素反応の鍵中間体はCo-C結合を含む有機金属錯体であり、その開裂により多様な活性種の創成が可能である。Co-C結合は、光、熱、電解などの外部刺激により開裂し、活性種を発生する。本研究では、B12酵素の機能シミュレーションおよびCo-C結合の開裂制御を念頭においた新規二核コバルト錯体の合成と分子変換反応を行った。前者では、天然のビタミンB12の7つの側鎖全てを化学修飾した疎水性ビタミンB12誘導体を合成した。また後者のコバルト錯体の二核化に際しては、Co-C結合形成が可能なシッフ塩基型錯体を基本骨格とし、それを種々のスペーサーにより架橋した二核錯体を分子設計した。 アポタンパク機能を付加させる目的で合成した側鎖にアミノ酸残基(ベンジルフェニルアラニン)を導入したビタミンB12誘導体を用い、DMF中で電気化学的手法により反応を行ったところ、カルボン酸エステルの1,2-転位を極めて効率良く進行させる触媒となることが明らかになった。また、1,2-転位反応を環状化合物に応用し、アシル基の転位を伴う環拡大反応についても検討した。単純な疎水性ビタミンB12を触媒として5〜8員環化合物について電解反応を行い、-1.5V〜-2.0Vvs.SCEの条件で環拡大反応が効率良く進行することを見い出した。 上記の酵素反応のシミュレーションは、他反応への応用も可能である。例えば、二核コバルト錯体を用いて分子内架橋型アルキル錯体を合成すれば、光照射により生じる二端ラジカルは分子内結合し環状化合物へと変換されるはずである。本研究で合成したシッフ塩基型二核コバルト錯体は、ラマン、NMRおよび質量スペクトルにより両金属上でCo-C結合を形成することが明らかとなった。さらに光照射により発生する2つのラジカルは近距離のため結合し、二量化反応が効率良く進行することが明らかにとなり、環状化合物合成への展望が開けた。 続きを見る
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