金属錯体と人工ペプチド脂質よりなるハイブリッド膜の触媒機能

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金属錯体と人工ペプチド脂質よりなるハイブリッド膜の触媒機能

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
久枝 良雄(九州大学・工学部・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1997
概要(最新報告):
アミノ酸残基を導入した合成ペプチド脂質は水溶液中で会合し、直径400〜800Åの極めて安定な二分子膜ベシクルを形成する。この二分子膜は、疎水性相互作用とアミノ酸残基間の水素結合により会合したナノ組織体である。本研究では、この二分子膜に金属錯体を組み込み新しい触媒系の開発を行った。 ビタミンB12依存性酵素のX線構造解析が最近報告され、ビタミンB12分子にはタンパク中のヒスチジンが下方配位子として存在していることが明らかとなった。そこで、二分子膜型ビタミンB12人工酵素の構築分子としてヒスチジン残基を有する合成ペプチド脂質を合成した。さらにビタミンB12を二分子膜ベシクル中に取り込むために、ビタミンB12の側鎖のアミド結合をエステル結合に変換した疎水性ビタミンB12を合成した。ヒスチジン残基を有する合成脂質はアラニン残基をもつ人工脂質と水中で均一に混合し、安定な二分子膜ベシクルを形成した。これらの合成ペプチド脂質と疎水性ビタミンB12との組み合わせにより二分子膜型B12人工酵素を構成し、炭素骨格組み替え反応を行った。 基質が軸位に結合した疎水性ビタミンB12をメタノール中に溶解した場合、光照射しても異性化生成物は全く生成しなかった。一方、アラニン残基をもつ人工脂質が形成する二分子膜中では7%、さらにヒスチジン残基をもつ人工脂質を混合すると30%をこえる異性化生成物が得られた。このことから、二分子膜の反応場効果および下方配位子の存在が重要であることが明らかとなり、この2つがともに働く場合に異性化反応が進行しやすいことを見出した。この結果は、天然酵素においても、炭素骨格組み替え反応にはビタミンB12に配位するヒスチジン残基と、アポタンパクが提供するミクロ環境(脱水和とかご効果)が重要な影響を及ぼしていることを示唆している。 続きを見る
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