光散乱法を用いた透光性結晶のクラック先端近傍転位の観察

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光散乱法を用いた透光性結晶のクラック先端近傍転位の観察

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
森川 龍哉(九州大学・工学部・助手)
本文言語:
日本語
研究期間:
1997-1998
概要(最新報告):
前年に引き続き,クラック先端近傍におけるクラックと転位の相互作用を理解し転位がクラックの進展にどのような影響を及ぼすかを検討するため,可視光を透過する塩化ナトリウム結晶を用いてクラックの進展とそれに伴ったすべり変形による転位密度の増加の評価を行った.光散乱を利用したバルク結晶の転位の三次元分布の観察は,転位以外の微小欠陥からの散乱光の影響で非常な困難を極めたため,試験片形状を工夫し,偏光顕微鏡を利用した光弾性二次元像による巨視的な応力場とエッチピットによる微視的なひずみ場(転位数個に相当)の観察によって,状況を二次元問題に単純化して捉えた.得られた知見について以下に列記する. (1) 光弾性像による応力場観察より,単結晶中のクラック前方には転位のすべりによるせん断応力場と圧縮応力場が発生し,クラックを進展させる応力を緩和する効果をもたらすことがわかった.固溶体硬化を利用して転位の易動度を抑制するために,塩化ナトリウム結晶に臭化ナトリウムを固溶させた試料を作製してクラックの進展を観察したところ,純粋な塩化ナトリウム結晶における結果に比べてクラックは速く進展し,クラック前方の転位密度も小さくなった.また,臭化ナトリウムの濃度を大きくするとより結晶が破壊されやすくなった.さらに,ガンマ線照射により転位をトラップした試料についても,通常の結晶に比べてクラック進展速度は大きくなった.これらはクラック前方の転位がクラック進展阻止の効果を持つことを如実に示す結果である. (2) 双結晶を用い結晶粒界に向かってクラックを進展させたときのクラック前方の転位密度および応力拡大係数の変化を調べ,次のことがわかった.クラックの前進に伴いクラック先端より転位が発生しすべり帯が形成される.双結晶では単結晶での結果と比べ,クラック先端が粒界に接近するにつれクラック先端前方の転位密度の増加率が大きくクラックの進展速度が遅くなっていること,応力拡大係数もクラックが粒界に衝突するまで次第に増大していることから,粒界に堆積した転位群がクラックの進展を阻止する効果を持つと考えられる. 続きを見る
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