昆虫の高次視覚機能の神経生理学的研究:視覚認知のニューロン機構

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昆虫の高次視覚機能の神経生理学的研究:視覚認知のニューロン機構

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
岡田 二郎(九州大学・理学部・助手)
本文言語:
日本語
研究期間:
1997-1998
概要(最新報告):
本研究は当初、ミツバチにおける視覚認知の神経機構の解明をめざして開始されたが、初期の実験からミツバチは神経生理学的実験に適当ではないことが分かった。このため昨年度はゴキブリを用いて、その逃避行動の陰影反応について調べた。本年度は、ミツバチの行動が盛んな春夏期に本人が海外出張で不在だったこともあり、引き続きゴキブリの視覚行動について調べた。これまでの実験から、逃避行動における陰影反応はゴキブリが物陰という視覚的ゴールをめざした結果ではなく、偶然に物陰に入ることで起きる単純な視覚性反射であると推測された。本研究の目標達成のためには、視覚を手がかりに発現・制御される行動を検索する必要があった。観察の結果、探索行動中のゴキブリが特定の視覚刺激に対して定位することを見出し、これまでに以下の知見を得た。 1) 探索行動時における体の左右への方向変化(ターン)は体軸の回転の他、頚部を中心とした頭部の左右方向の回転運動を伴う。頭部の運動は体軸の回転と同一方向へ約0.5秒先行して起きる。 2) 探索行動中の動物に対し視覚刺激(静止像の提示)をおこなうと、この視覚パターンの方向へ定位する反応がみられた。またこのとき頭部も視覚パターンへ定位することが分かった。 3) 刺激終了直後から、刺激前と比べて体が大きく左右方向へ変位する探索行動が観察された。この行動は長い場合で1分以上持続した。ゴキブリの視覚認知には短期的記憶が関与する可能性がある。 以上はほとんどが行動レベルの知見であり、当初の目標が十分達成されたとは言いがたい。しかし神経生理学的実験に適したゴキブリにおいて、上記のような明確な視覚行動を発見できたことは、この実験系を用いて今後展開される視覚認知のニューロンレベルでの研究の基礎をなすものである。 続きを見る
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