情動ストレスに対するコーピング行動と免疫能の相関についての基礎的研究

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情動ストレスに対するコーピング行動と免疫能の相関についての基礎的研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
Basic research on the effect that coping behavior against emotional stress has on immunity.
責任表示:
田代 信維(九州大学・大学院・医学系研究科・教授)
TASHIRO Nobutada(九州大学・大学院・医学系研究科・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1997-1999
概要(最新報告):
今回の研究の目的は、脳内情動中枢の直接刺激で起るストレスモデルを用いて、同じストレス状況にあっても、ストレスを能動的に回避できる群とできない群とで、免疫能に何らかの差異が認められるのかどうかを「スイッチ切り学習行動」を用いて調べ、「後天的なコーピング行動の学習がストレスによる身体疾患の発症を予防し得る」という仮説を検証することであった。 一連の研究の結果、 1.ネコに、一種のストレスである不穏行動を引き起こす視床下部刺激を総計120秒与えた時、末梢血顆粒球増多・Tリンパ球減少が起り、これは免疫系が活性化している状態と考えられた。しかしこれが長期持続すると免疫能は疲弊するものと思われる。 2.スイッチ切り学習行動を学習したネコ(不穏行動を引き起こすと視床下部刺激装置のスイッチを切る)で、スイッチを自発的・能動的に切れる時(ストレスに対するコーピング行動がとれる時)には、1.で示されたような顆粒球の増加が抑制されることがわかった。すなわち、コーピング行動がとれる時には無用な免疫能の発動が回避され、その結果ストレスによる免疫能の疲弊を来しにくくなる可能性が示された。 3.上記2.で得られた結果は、ストレスを能動的に解決できるかどうか(コーピング行動可能か不可能か)によって起こったものであり、単なる運動の効果によるものではないことが、行動解析や血中アドレナリン、コルチゾール等の測定によって示された。 ストレスによる免疫能の低下が感染症や癌の発症を促進する可能性が示されているが、今回以上1.〜3.の研究成果より、脳内情動中枢の直接刺激で起るストレスに対するコーピング行動の学習が、免疫能を制御する可能性が示され、「後天的なコーピング行動の学習が、不要なストレス反応を抑え、身体疾患の発症を予防し得る」という仮説を支持する根拠が与えられたと考えられる。 続きを見る
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