象牙質への接着におけるコラーゲン-生体親和性高分子相互作用の寄与に関する研究

閲覧数: 8
ダウンロード数: 0
このエントリーをはてなブックマークに追加

象牙質への接着におけるコラーゲン-生体親和性高分子相互作用の寄与に関する研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
根津 尚史(九州大学・歯学部・助手)
本文言語:
日本語
研究期間:
1997-1998
概要(最新報告):
従来グラスアイオノマーセメントの象牙質への作用機構は、セメントの高分子酸成分が歯質のヒドロキシアパタイト表面に露出したカルシウムイオンと静電的に結合するとして説明されてきた。一方、異種高分子間の相互作用が多くの系で報告されており、象牙質に多量に含まれるコラーゲンとグラスアイオノマーセメント中の高分子酸の相互作用の可能性も高いといえる。本研究に先立つ実験より、ピレンでラベルされたポリアクリル酸(PAA)の形態変化を蛍光分光法により解析するという手法で、低pH条件下でPAAが水溶性I型コラーゲンと結合的な相互作用をすることが示唆されている。そこで本課題では両高分子の相互作用の存在を証明するための多角的な実験を計画し、以下の結果を得た。 1. 本来酸性でのみ可溶のウシ皮膚コラーゲン(CSC)(I型)をコハク酸で修飾し(SCSC)、広いpH範囲で安定に溶存する水溶性コラーゲンを調製した。 2. 濁度滴定により、SCSCの等電点がpH4.5付近であることを見いだした。 3. PAAがカルシウムイオンと結合する性質に注目し、SCSC溶液に既知濃度のPAAを添加し、SCSCに結合できないと思われる過剰のPAAをカルシウムイオンで逆滴定することで、pH3におけるPAAのSCSCへの結合量を見積もることに成功した。 4. 示差走査熱量測定により、pH3においてはSCSCの変性温度がPAAの濃度とともに上昇する性質を見いだした。 5. 電気泳動光散乱測定から得られる電気泳動移動度より、各高分子の電荷を見積もったところ、pH3ではPAAは負、SCSCは正の電荷を持つことが明らかとなった。 両高分子間の相互作用はpH7または添加塩存在下では見いだされなかったことがら、PAAとSCSCの相互作用は静電引力によるものであると結論された。 以上の結果から、グラスアイオノマーセメントによる象牙質への接着機構には高分子酸とコラーゲンの相互作用が関与していると考えられる。 続きを見る
本文を見る

類似資料: