癌転移におけるシグナル伝達解析と転移規定分子の同定による抑制治療の開発

閲覧数: 8
ダウンロード数: 0
このエントリーをはてなブックマークに追加

癌転移におけるシグナル伝達解析と転移規定分子の同定による抑制治療の開発

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
田中 真二(九州大学・生体防御医学研究所・助手)
本文言語:
日本語
研究期間:
1997-1998
概要(最新報告):
1) 癌細胞の転移は様々なステップによって成立するが、細胞移動は重要な第一段階である。我々はC.elegansの細胞移動遺伝子cell migration gene,mig-10をターゲットとして、ヒト癌細胞よりMig-10の持つユニークなcentral domainと相同部位を持つ遺伝子の同定を試みた。 2) その結果、EGF/PDGFシグナル分子ヒトGrb7をクローニングした(GenBank登録D87531)。ヒトGrb7蛋白質は532アミノ酸から成立し、N末端にはSH3結合コンセンサス配列を示すproline-rich部位を認め、中央にPHdomalnを含むcentral domainが存在し、C末端にはSH2domainを持つ細胞内分子である。Grb7 SH2 domainはEGF.レセプターと直接結合し、そのレセプター型チロシンキナーゼによりリン酸化されることから細胞内シグナル伝達分子と推測される。 3) 次に、食道癌臨床症例におけるGrb7の発現と臨床病理学的因子との相関を調べたところ、Grb7は癌部でのみ高発現しており、さらに癌浸潤度の規定因子になりうることを見出した(Tanaka et al.Cancer Res1997)。最近、Grb7はMig-10,Grb10,Grb14とともに新規シグナル分子ファミリーを形成していることが明らかとなっている。 4) Grb7 SH2 domainにFLAG-epitope tagを付加し発現ベクターに組み込み(FLAG-Grb7SH2)、ヒト食道癌培養細胞へ遺伝子導入した。FLAG-Grb7 SH2発現細胞はEGF刺激による内因性Grb7のリン酸化を著しく阻害した。さらに、EGF刺激による細胞増殖能はFLAG-Grb7SH2によって抑制されないが、細胞浸潤能は阻害されることが示された。 5) 以上により細胞移動遺伝子の相同性より新たにクローニングしたGrb7は食道癌で強く発現し、臨床病理学的に癌浸潤度の規定因子となることを見出し、さらにそのシグナル伝達の抑制により、食道癌培養細胞の浸潤能が抑制されることが明らかとなった。 続きを見る
本文を見る

類似資料: