病原体の抗原連続変異の進化、およびビルレンス進化の理論的研究

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病原体の抗原連続変異の進化、およびビルレンス進化の理論的研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
Theoretical studies on the antigenic drift of pathogen and the evolution of virulence.
責任表示:
佐々木 顕(九州大学・理学部・助教授)
SASAKI Akira(九州大学・理学部・助教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1996-1997
概要(最新報告):
病原体の抗原型と宿主免疫系との共進化に関する数理モデルを開発し、理論解析および計算機実験を行った。ウイルス抗原遺伝子の分子進化のパタンに関して、大流行した抗原型のまわりで宿主免疫応答が高まり、次の大流行は遠く離れた抗原型によって引き起こされるという断続的な進化が起きるための条件が理論的に明らかになった。断続進化の条件は抗体の交差反応性の幅と点突然変異による抗原性変異の幅の比がある閾値を越えることである。さらに、イネやコムギと寄生性菌類との関係にみられるような、病原体のビルレンスと宿主抵抗性は軍拡共進化の過程の理論的な解明も試みた。寄生蜂に対する宿主昆虫の免疫機構(encapsulation)に関しては、宿主と寄生蜂の種の組み合わせによって、あるいは同種においても地域が異なると、両者の力関係、つまり生体防御の有効性は大きくばらつく。これらは宿主の抵抗性と寄生蜂のビルレンスという双方の種の遺伝的形質の相対的な強さで決まるとされている。理論的な解析によると、抵抗性とビルレンスが中間の値で進化的な平衡に達することは非常に起こりにくく、他種の形質を上回ることが有利になるため、両形質は際限なく増大する方向に進化する傾向があることが示される。しかし、形質のエスカレーションにともなうコストの増大に耐えかねる形で、まず宿主の側が抵抗性を捨てる道を選択し、それに寄生蜂の側が追随してビルレンスを低下させるというシナリオが共進化理論の帰結として予測される。もちろん、双方が「軍備」を縮小させて共進化の出発点に戻った後には、再び形質のエスカレーションが始まる。このように長いサイクルでみると形質が循環することが理論的に期待される。植物と病原菌の間のgene-for-gene相互作用における軍拡共進化においても同様の結論が得られた。このほか、生ワクチン株から強毒系統が突然変異によって生じることを考慮して、ポリオウイルスの疫学動態を出生死亡過程と分岐過程で解析することにより、ワクチン接種計画終了後に再流行が起きる確率を求め、有効な根絶計画を立案するための理論研究を進行中である。 続きを見る
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