子宮頚癌における新しい診断及び治療法の確立

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子宮頚癌における新しい診断及び治療法の確立

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
Development of new therapy for uterine cervical carcinoma
責任表示:
和気 徳夫(九州大学・生体防御医学研究所・教授)
WAKE Norio(九州大学・生体防御医学研究所・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1996-1998
概要(最新報告):
1. HPV16型E7による細胞形態変化の分子機構:E7蛋白にはRBと結合するポケットドメイン及びC-junと結合するC未領域が存在し、E7蛋白により示される生物学的機能に重要な役割を担っている。Rbとの結合にはポケット領域中の24番目のシスチンがまたc-junとの結合には94番目のシスチンの存在が必須である。このため、シスチンをグリシンに置換したC24G及びC91GE7変異体を作成した。野生型E7とともにE7変異遺伝子をRat1A細胞へ遺伝子導入しSMα-アクチン発現変化をウエスタンブロット法により解析した。C24GE7変異体の導入によりSMα-アクチンは野生型E7導入と同様に顕著に抑制された。しかしC91G変異体の導入によってはSMα-アクチン発現の抑制は全く観察されなかった。MyoDはAP1と結合し、AP1依存性に発現が抑制される。このため、野生型E7、C24G変異体及びC91G変異体を導入したRat1A細胞においてMyoDの発現レベルを解析した。その結果野生型E7及びC24GE変異体はMyoDの発現を抑制するが、C91G変異体はMyoD発現を抑制しないことが判明した。このため、E7はc-junと結合することにより、MyoD-c-jun結合を阻害し、SMα-アクチンの転写抑制能を有することが明らかとなった。 2. HPV E6/E7を用いた子宮頚癌の進行期診断:HPV E6/E7遺伝子領域をPCRで増幅することによりリンパ節転移の有無を診断しその臨床的有用性を評価した。子宮頚癌64サンプルの原発巣からDNAを抽出し、コンセンサスプライマーを用いたPCR法を行った。臨床病理学的診断では10/64症例でリンパ節転移(+)、54/64症例でリンパ節転移(-)であった。病理学的にリンパ節転移陽性症例では全例PCR-サザン法によるリンパ節におけるHPV16型ゲノムの存在が確認された。一方、病理学的にリンパ節転移(-)54症例中45例にPCR-サザン法でHPV16型ゲノムの存在が確認された。PCR-サザン法を用いたリンパ節転移診断が非常に高感度であることが示された。今後の45症例の臨床的予後を追跡調査する予定である。 3. AS新素材の開発:AS核酸配列に依存的な標的蛋白の発現抑制及び細胞増殖抑制の普遍性を獲得するため、ASの高機能化を企てた。ソラーレンは特定波長(365nm)の紫外線の存在下で、DNA或いはRNAに強固な架橋を形成することが知られている。このため、核酸塩基特異的に標的遺伝子を識別し、さらにソラーレンによる強固なDNA-RNA結合体形成を期待し、ソラーレン結合型AS(PS-AS)を作成した。本研究ではHPV16、18型E6遺伝子蛋白翻訳開始領域に対し3種類のPS-ASを作成した(PS・P・1・HPV18、PS・k・3・HPV16、PS・k・4・HPV16、さらにP1のスクランブル配列を有するPS・1scr)。(1)紫外線照射により塩基配列依存的にPS・P・1は機能していること、(2)C4II細胞にはPS・K・3及びPS・K・4が認識する内因性mRNAが転写されていること、(3)SiHa細胞がコードするHPV16E6mRNA中のPS・K・4標的部位は未知の現象によりPS・ASとの結合が阻害されていることが判明した。PS・ASは0.5μM濃度から頚癌細胞増殖抑制効果を示したためホスホロチオエート型と比較し80倍以上の高機能化が示された。しかしヒト正常ケラチノサイトの増殖は0.5μM PS・ASの投与及び紫外線照射により全く影響を受けず、無処理のそれとほぼ同様の細胞増殖が示された。このため、正常細胞へのPS・AS投与は非特異的細胞毒性とならず、PS・ASを用いた子宮頚癌治療の臨床応用への道を拓くものと示唆された。 続きを見る
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