分子遺伝学的手法を用いた癌細胞の存在診断法の確立

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分子遺伝学的手法を用いた癌細胞の存在診断法の確立

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
Molecular detection of cancer cells by RT-PCR
責任表示:
森 正樹(九州大学・生体防御医学研究所・助教授)
MORI Masaki(九州大学・生体防御医学研究所・助教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1996-1997
概要(最新報告):
1.標的遺伝子の検索:carcino embryonic antigen(CEA)、estrogen receptor(ER)、MAGEの3種類の遺伝子について、正常組織・癌組織でのmRNAレベルの発現をRT-PCR法を用いて調べた。その結果、CEAは検索した150症例の正常上皮組織および癌細胞のすべてで発現が認められた。ERは癌細胞および正常上皮組織の約1/3に発現が認められた。MAGEは正常上皮組織では全く発現がなく、癌組織では10〜60%の症例で発現を認めた。以上より遺伝子としてまずCEAを用い、次いで陽性例についてMAGEを用いる方法が最適と結論した。 2.リンパ節における微量癌細胞の検出:102例の手術症例より606個のリンパ節を摘出し半分を組織細胞(HD)、残り半分をRT-PCR法による遺伝子診断(GD)に用いた。各症例を(HD/GD)の組み合わせでみると(+/+)37例、(-/+)47例、(-/-)18例で(+/-)はなかった。再発率は(-/-)では0%、(+/+)では35%あったが(-/+)でも8%であり注目された。以上よりRT-PCR法による遺伝子診断では、組織診断で発現できない転移を検出できることが示された。 3.末梢血中の微量癌細胞の検出;104例の癌患者の末梢血2mlをRT-PCR法で調べた。その結果、CEAmRNAの発現は対照健常者0%、治愈切除例19%、非切癒切除例56%、再発率70%であった。治癒切除例62例中CEA陰性の50例は全く再発していないが、陽性12例では3例が再発した。以上よりわずかの量の末梢血液より癌細胞の血中流入が判断でき、これが再発予測に活用できることが示された。 4.化学療法の効果判定の応用:食道癌、胃癌患者の化学療法前後で血中のCEA遺伝子検出を行った。CR1例では術前CEA(+)がCEA(-)に変化した。これはpreliminaryであるが今後応用が期待できる分野である。 以上、現時点でCEAを標的としたRT-PCR法はリンパ節や末梢血液中のわずかな癌細胞を検出できること、臨床的にもその応用が重要となり得ることが明らかとなった。 続きを見る
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