環境適応反応の中枢神経機構における脳内サイトカインの役割

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環境適応反応の中枢神経機構における脳内サイトカインの役割

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
Roles of brain cytokines in the adaptive responses to environmental stresses
責任表示:
片渕 俊彦(九州大学・医学部・講師)
KATAFUCHI Toshihiko(九州大学・医学部・講師)
本文言語:
日本語
研究期間:
1996-1998
概要(最新報告):
本研究では、生体の環境適応反応の制御機構における脳内サイトカインの役割とその重要性について、3年間(平成8年度〜10年度)にわたり研究を行い、以下の点が明らかになった。 (1) 脳内のサイトカインは、感染などの炎症のみならず、拘束ストレスや暑熱寒冷暴露などの非炎症性ストレスによっても産生が増強されることを、ノーザンブロットや定量的PCR法で明らかにした。 (2) 温度ストレスによって視床下部視索前野(MPO)で産生されるc-fosタンパクは、おそらく体温調節に関与する脳内物質をコードする遺伝子の転写に影響を与えることによって、体温を上昇させる方向に作用することを、c-fo mRNAに対するアンチセンスオリゴDNAを用いて明らかにした。 (3) 脾臓のナチュラルキラー(NK)細胞活性を抑制性に制御する脾臓交感神経の活動(SSNA)は、これまで明らかにしたMPOや室傍核(PVN)以外に、視床下部外側野(LHA)や腹内側核(VMH)によっても部位特異的に影響される。また、サイトカインの二字媒介物質であるプロスタグランディンE2(PGE2)、及びそれに引き続いて活性化されるCRF系は、SSNAを上昇させることを明らかにした。 (4) 拘束ストレスによる脾臓NK細胞活性の低下は、脳内で産生されるIL-1βの作用を介していることを示した。 (5) Tリンパ球依存性の遅延型過敏症であるアレルギー性接触性皮膚炎は、副腎皮質ホルモン及び侵害受容神経線維の存在によって、発症は抑制されるが免疫反応の終結はむしろ遅延した。 (6) TNF-α、及びIL-1βは、視床下部や脳幹の迷走神経節前ニューロンに作用して、ニューロン活動を変化させるとこから、体温調整や摂食を制御していると考えられた。 (7) 海馬スライス標本において、IL-6は長期増強現象を抑制するが、その作用機序の一つとして、グルタミン酸による自発性興奮性内向き電流の振幅の低下があると考えられた。 (8) 急性単離したMPOニューロンにおいて、グルタミン酸はNMDA受容体を介して流入したCa^<2+>によって活性化される外向きのK^+電流(Ca^<2+>依存性K^+電流)を賦活化した。 (9) マウス海馬スライスにおいて、Stem Cell Factor(SCF)は、おそらくアラキドン酸やPGE2などの逆行性神経伝導物質の産生を介して、苔状線維-CA3回路におけるペアードパルスファシリテーションに、テタヌス刺激を加えた時と同様の変化を起させることを示した。 続きを見る
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