有性・無性植物に感染するジェミニウイルスの分子進化

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有性・無性植物に感染するジェミニウイルスの分子進化

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
矢原 徹一(九州大学・理学部・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1996
概要(最新報告):
ヒヨドリバナには有性生殖型と無性生殖型があり、無性生殖型は高い頻度でジェミニウイルスの感染を受ける。有性生殖がウイルスの感染防御に役立っているという仮説を検証するために、ホストレンジを決定するC4遺伝子を含むDNA領域の変異を、有性生殖集団と無性生殖集団の間で比較した。調査は伊豆半島天城山北斜面に自生する2集団で行った。 これら2集団においてホスト1個体にいくつの遺伝的に異なるウイルスが感染しているかを非対称PCR-SSCP法を改良して調査した。その結果、無性ホスト集団では3つのSSCPタイプが見られ、これらの単一感染、二重感染、三重感染の頻度は、ポアソン分布を仮定した期待値とよく一致した。一方、有性ホスト集団では6つのSSCPタイプが見られ、単一感染の頻度が有意に低く、二重感染の頻度が有意に高かった。この結果は、ウイルス感染への抵抗力に関して、有性集団では個体間変異があることを示唆する。 次に各SSCPタイプから複数のPCR産物の配列を決定し、日本各地から得られたウイルスとの系統関係を調査した。ウイルスの系統は地理的にまとまる傾向を示さず、地域集団間の移住が頻繁に起きていると考えられる。ただし、各SSCPタイプ内の配列変異は単系統となり、いくつかのSSCPタイプも姉妹関係にあることがわかった。これらの分化は集団内で起きたものと考えられる。そこで、有性生殖ホスト集団内で起きたと考えられるアミノ酸置換数と地理的に異なる集団間で起きたと考えられるアミノ酸置換数を比較した結果、前者ではC4のアミノ酸置換数がC4以外の領域のそれより多く、後者では逆の関係が得られた。この結果は統計的に有意であり、有性ホスト集団内ではアミノ酸置換が加速されることが示唆された。 続きを見る
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類似資料:

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性の進化生態学 by 矢原 徹一; YAHARA Tetsukazu
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