顔面神経切断に伴って増殖する反応性ミクログリアにおけるカテプシンEの性状解析

閲覧数: 2
ダウンロード数: 0
このエントリーをはてなブックマークに追加

顔面神経切断に伴って増殖する反応性ミクログリアにおけるカテプシンEの性状解析

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
中西 博(九州大学・歯学部・助手)
本文言語:
日本語
研究期間:
1996
概要(最新報告):
最近、反応性ミクログリアがさまざまな神経疾患の病態において重要な役割を果していることが示唆されている。即ち、神経疾患に陥るとミクログリアはいち早く反応し、反応性ミクログリアとして増殖、移動し、防御あるいは組織修復に関与すると考えられている。顔面神経切断時においても顔面神経核周囲に反応性ミクログリアが増加することが知られており、逆行性変性あるいは修復過程において反応性ミクログリアが重要な役割を担っていることを示唆している。我々は非リソソーム性アスパラギン酸プロテアーゼであるカテプシンEが反応性ミクログリアにおいて増大することを見い出した。カテプシンEは静止状態のグリア細胞や反応性アストロサイトには殆ど認められないことから、本酵素の発現増大が反応性ミクログリアの機能と密接に関係している可能性が考えられる。そこで本研究は反応性ミクログリアにおけるカテプシンEの生理機能の解明を最終目的とし、初代培養ミクログリアを用いカテプシンEの細胞内輸送路、活性化機構ならびに分泌機構を検討した。今回の研究結果より次のことが明らかとなった。 1.間接蛍光抗体法によりカテプシンEは初代培養ミクログリアにおいてエンドソーム様の局在を示していた。 2.S-メチオニンを用いたパルスチェイス解析により、カテプシンEは還元条件下で46kDaのプロ酵素として生合成された後、中間体を経て4時間後には42kDaの成熟型にプロセッシングされることが分かった。また一部は生合成された後、中間体を経て4時間後には42KDaの成熟型にプスセッシングされることが分かった。また一部は生合成された後、プロ型分子のままで細胞外に分泌された。 3.蛋白質の輸送経路を修飾するバフィロマイシンAならびにブレフェルディンA1を加え、カテプシンEの細胞内輸送、プロセッシング機構あるいは分泌機構への影響を調べた。その結果、バフィロマイシンAならびにブレフェルディンA1存在下ではカテプシンEのプロセッシングは完全に阻害された。一方、バフィロマイシンA1存在下では細胞外に分泌されるプロ型分子は増加したが、ブレフェルディンA存在下では細胞外への分泌も阻害された。 4.糖鎖による修飾状態を知る目的でエンドグリコシダーゼHの処理を行った結果、生合成直後のプロ型酵素はエンドグリコシダーゼHの処理により分子量の低下が認められたが、成熟型酵素では大部分が影響を受けなかった。 以上の結果より、カテプシンEはミクログリアの粗面小胞体においてプロ型酵素として生合成された後、ゴルジ装置を経て細胞内酸性コンパートメント(エンドソーム)に輸送され成熟型に変換され、一部はゴルジ装置を経てプロ型酵素のままで細胞外に分泌されることが分かった。また、カテプシンEの糖鎖はプロセッシングに伴い高マンノース型から一部は複合型に変換されることが分かった。 続きを見る
本文を見る

類似資料: