記憶機構におけるラット海馬での神経伝達間の相互作用の解明

閲覧数: 11
ダウンロード数: 0
このエントリーをはてなブックマークに追加

記憶機構におけるラット海馬での神経伝達間の相互作用の解明

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
大野 益男(九州大学・薬学部・助手)
本文言語:
日本語
研究期間:
1996
概要(最新報告):
海馬での種々の神経伝達の相互作用が記憶調節に関与しているか否かを、3-Panel Runway課題におけるラットの作業記憶行動を指標に検討した。ムスカリン性アセチルコリン受容体拮抗薬scopolamineあるいは興奮性アミノ酸NMDA型受容体拮抗薬CPPを背側海馬に注入すると、ラットの作業記憶は著しく障害された。Scopolamine海馬内注入による作業記憶障害はコリンエステラーゼ阻害薬physostigmineのみならずNMDA受容体機能賦活薬D-cycloserineやセロトニン5-HT_<1A>受容体拮抗薬NAN-190の同時注入により改善された。一方、CPP海馬内注入による作業記憶障害はphysostigmineやNAN-190の注入によって影響されなかった。以上の結果から、抑制性の5-HT_<1A>受容体神経伝達の遮断やNMDA受容体/チャネルの活性化は、作業記憶機能に密接に関与する海馬コリン神経伝達の低下に代償しうること、また、海馬の作業記憶機構においてNMDA受容体神経伝達はムスカリン性神経伝達よりも決定的なプロセスとして機能していることが示唆された。次に、ノルアドレナリン神経系の役割について検討した。DSP-4投与による脳内ノルアドレナリンの枯渇やβ-アドレナリン受容体遮断薬propranololの投与はそれ自体、作業記憶に何ら影響しなかったが、CPPあるいはscopolamineの海馬内注入による作業記憶障害を著明に増強した。さらに、Propranololとscopolamineの併用処置によって障害された作業記憶機能はphysostigmineあるいはD-cycloserineの海馬内注入により顕著に回復した。以上、β-アドレナリン神経伝達は海馬のコリン神経伝達ならびにNMDA受容体機構と協調的に働くことによって作業記憶機能を促進的に調節していること、また、これら3種の神経伝達が同時に低下することによって記憶機能は一層重篤に障害されることが明らかとなった。 続きを見る
本文を見る

類似資料:

12
観察された記憶 : 自然文脈での想起 by Neisser, Ulric; 富田, 達彦
12.
観察された記憶 : 自然文脈での想起 by Neisser, Ulric; 富田, 達彦