組織球増殖性疾患の病態解析と骨髄移植を含めた治療プロトコールに関する研究

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組織球増殖性疾患の病態解析と骨髄移植を含めた治療プロトコールに関する研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
大賀 正一(九州大学・医学部・助手)
本文言語:
日本語
研究期間:
1996
概要(最新報告):
【目的】組織球増殖性疾患のうち、ClassIIとClassIIIを中心とする血球貧食症候群(HPS : hemophagocytic lymphohistiocytosis)の予後は不良であり、重症度を反映するマーカーとそれに応じた治療法の確立が急務である。今回、(1)これまで明らかにした炎症性サイトカインに匹敵するマーカーを見いだし、(2)重症例には末梢血幹細胞移植術(PBSCT)を試みその臨床効果を検討して、HPSの治療プロトコール作成をめざすことを目的とした。 【対象と方法】HPS9例(男5,女4)の増悪期と寛解期の血清IL-1β、可溶性IL-2受容体、IL-6、TNF、IFNγ、フェリチンなどを測定して、血清Neuron Specific Enolase (NSE)の値と比較した。この他重症の2例(ClassIIとClassIII)に多剤併用療法であるEVAC(VP16,ビンクリスチン,アドリアマイシン,シクロフォスファミド)をくりかえし、PBSCTを行った。 【結果】増悪期の血清ハプトグロビンは低下せず溶血のないことが示唆された。増悪期のNSEは平均32.0ng/mlとすべて高値を示し、これは寛解期に有意に低下した(p<0.005)。増悪期の血清NSEの平均値は軽症群12.3、中等症群27.9、重症群41.5ng/mlであり重症度を反映した。増悪期のNSEは、血清IFNγ(r=0.754,p<0.005)およびLDH(r=0.771,p<0.005)との間に正の相関を認めたが、その他のパラメーターとは相関しなかった。骨髄のNSE染色の結果3例中1例が陽性であった。重症例のうち1例はPBSCT後30か月以上寛解を維持しているが、1例は移植6か月後に再発した。 【考察】HPS患者の血清中には炎症性サイトカインより安定であるNSEが活性化した組織球から産生されて上昇し、これが病勢を反映することが示唆された。EVACはHPSに対する有効な化学療法であり、重症例にはPBSCTも試みるべき治療法のひとつであることが示唆されたが、今後症例を重ねて検討が必要である。 続きを見る
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