歯周病発症における病原性プロテアーゼの役割と作用機序

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歯周病発症における病原性プロテアーゼの役割と作用機序

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
ROLES OF PATHOGENIC PROTEINASES IN PERIODONTAL DISEASE
責任表示:
山本 健二(九州大学・歯学部・教授)
YAMAMOTO Kenji(九州大学・歯学部・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1996-1998
概要(最新報告):
本研究はP.gingivalisが産生する2つのユニークなシステインプロテアーゼ(RGPおよびKGP)の歯周病発症における機能と病原性発現機構を分子細胞生物学的に解析したものである。以下に研究成果の概要を示す。分泌型の両酵素はともに強力なコラーゲン(ヒトタイプIおよびIV)分解能を有し、歯周病における歯周組織破壊に直接関与することが示唆された。また、分泌型の両酵素は免疫グロブリン(IgGおよびIgA)を強く分解し、好中球に対しても強い障害活性を示すことから、広く生体の防御系を破壊する可能性が示唆された。つぎに、それぞれの酵素が本菌のもつ病原性にどの程度寄与しているのかを調べる目的で、各酵素遺伝子の完全欠損体を作製した。RGP完全欠損体では、野生株のもつ好中球障害活性や血球凝集素活性もともに80%以上が消失していた。また、RGP完全欠損体では、野生株でみられる細胞表層の線毛構造が著しく減少しており、これらを構成する菌体表層蛋白質の細胞内輸送になんらかの欠陥を生じていることが示された。そこで、線毛を構成する主要な蛋白質のフィンブリリンを宿主への接着に関与する免疫原性の75kDa蛋白質のプロセシングをウェスタンブロッティング法とN末端アミノ酸シーケンス解析によって調べた。その結果、RGP完全欠損体では、野生株とは異なり、それぞれの前駆体蛋白質が成熟型分子に変換するために行われる限定的な蛋白分解が本来の切断部位で起こらず、それぞれがさらに上流のN末端側で起こっていることがわかった。すなわち、RGP完全欠損体では、これらの表層蛋白質はRGPによる正常なプロセシングを受けることができないので細胞内輸送に障害をきたし、菌体表層へ局在できないものと思われる。一方、KGP完全欠損体では、野生株やRGP完全折損体でみられたような血液寒天平板培地上での黒色コロニーの形成が見られなかった。黒色コロニーの形成は菌体表面への赤血球の結合とヘモグロビンの蓄積を反映すると考えられており、この形成能の欠如によって、本菌の増殖や生長に必須のヘムの菌体内への取込みの不足を生じると考えられている。つまり、KGPは本菌におけるヘムの取込みや蓄積に関与することによって本菌の病原性に寄与していると思われる。またKGP完全欠損体では、野生株やRGP完全折損体でみられるフィブリノーゲンに対する分解活性が著しく低下していた。フィブリノーゲンが血液凝固系の重要な因子であることを考えると、KGPがフィブリノーゲンの分解を介して歯周病局所の出血傾向を惹起している可能性が考えられた。 続きを見る
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