分散強化合金の高温延性低下機構の解明

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分散強化合金の高温延性低下機構の解明

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
吉田 冬樹(九州大学・大学院・総合理工学研究科・助手)
本文言語:
日本語
研究期間:
1995
概要(最新報告):
分散強化法は、室温のみならず高温においても強度上昇を得ることができる強化法であり、耐熱材料の強化法として注目されている。しかし、分散強化が施された合金ではある特定の温度範囲で延性が低下する高温延性低下が生じるために、熱間加工温度および使用温度が制限されるという問題がある。 ところで、金属材料の高温変形では粒界すべりが生じることはよく知られている。また、分散強化合金では粒界上に分散粒子が存在することがしばしば認められている。したがって、分散強化合金では粒界すべりによる分散粒子近傍の応力集中よってキャビテイが形成されボイドへと成長するために、延性が損なわれている可能性がある。そこで、本研究では粒界上に存在する分散粒子の形態(特に大きさ)を変化させた二種類のAl-Mg-Mn合金を用いて高温延性低下挙動を調べ、その発現機構について検討を行った。得られた結果を以下に示す。 1.電子顕微鏡による組織観察 組成の異なる二種のAl-Mg-Mn合金について透過電子顕微鏡観察を行った。その結果、分散粒子は結晶粒内のみならず粒界上にも存在していた。その析出形態はマンガンの組成によって異なり、マンガン量が少ないものの方が粒子の大きさは小さいく、粒子間隔は広かった。 2.3高温延性低下挙動 上述したような粒界上の分散粒子の析出形態が異なる二種類の試料につて、引張試験を行い断面減少率と試験温度の関係を求めた。その結果いずれの試料においても高温延性低下を示すこと、その低下量がひずみの速度に依存し速度が遅いほど大きくなることを見出した。また、この傾向が粒界上の分散粒子の析出形態に依存して大きく異なったことから、高温延性低下挙動に粒界上の分散粒子の析出形態が大きな影響を及ぼしていることを明にした。さらに、延性低下が見られた変形条件で試験を行った試料では粒界すべりが生じていることを確認した。以上の結果より、本合金では粒界すべりにより粒子近傍に応力集中が生じボイドが形成されるために高温延性低下が生じるという結論を得た。 3.しきい応力と高温延性低下挙動の関係 本合金で大きな延性低下が見られた時の変形応力は、いずれの試料においてもほぼしきい応力程度となった。これは、しきい応力が結晶粒内の転位が運動するために最低限必要な応力であることから、この応力以下では転位の運動による応力集中の緩和が生じ得なかったためと考えられる。したがって、結晶粒内に存在する分散粒子も延性低下の回復を妨げ高温での延性低下に大きな影響を与えていることが明らかとなった。 続きを見る
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類似資料:

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分散強化合金の高温変形機構 by 葉, 英華; YO, E
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