脳の可塑性モデルとしてのメタンフェタミン逆耐性現象の分子機構の解明

閲覧数: 18
ダウンロード数: 0
このエントリーをはてなブックマークに追加

脳の可塑性モデルとしてのメタンフェタミン逆耐性現象の分子機構の解明

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
大野 益男(九州大学・薬学部・助手)
本文言語:
日本語
研究期間:
1995
概要(最新報告):
メタンフェタミン逆耐性現象を薬物により惹起される行動レベルでの可塑性モデルとして捉え、本現象における最初期遺伝子c-fos誘導や一酸化窒素(NO)産生の果たす役割を追求した。【1】メタンフェタミン(5mg/kg)を投与すると、内側線条体においてFos蛋白が投与2時間後をピークに一過性に誘導された。このメタンフェタミン暴露14日後、線条体でのドパミン神経伝達を反映する片側黒質破壊ラットのメタンフェタミン誘発旋回行動は著しく増強されていた(逆耐性獲得)。NMDA拮抗薬MK-801の前処置によりメタンフェタミンによる旋回行動は全く影響されなかったが、線条体でのFos誘導および逆耐性獲得がいずれも完全に消失した。さらに、ドパミンD_1受容体拮抗薬SCH 23390も両現象を著明に抑制したが、D_2受容体拮抗薬sulpirideはメタンフェタミン逆耐性形成を抑制したものの、Fos誘導には影響しなかった。また、蛋白合成阻害薬cycloheximideは前処置時のみならずメタンフェタミン投与の4時間後まで逆耐性獲得を抑制した。以上、メタンフェタミンによる線条体Fos誘導は急性効果よりもむしろ逆耐性形成に関連したものであり、両現象には後シナプスでのNMDA受容体ならびにD_1受容体の同時活性化が重要であることが示唆された。これとは別に、メタンフェタミン逆耐性にはD_2受容体を介する機構(おそらく前シナプス性)も関与していると思われる。【2】メタンフェタミン反復投与による運動量を指標としての逆耐性形成はMK-801同様、NO合成酵素阻害剤N^G-nitro-L-arginine(L-NA)やN^G-nitro-L-arginine methyl ester(L-NAME)によって著明に抑制された。NO合成阻害非活性のD-NAMEにはこのような作用はなかった。また、メタンフェタミンによる運動量亢進に密接に関与すると考えられる側坐核でのドパミン遊離をin vivoマイクロダイアリシス法を用いて測定した。NMDAをプローブから直接側坐核内に適用すると、著しいドパミン遊離の増加がみられ、この作用はNMDA受容体拮抗薬D-AP5あるいはL-NAの同時適用により抑制された。以上、NMDA受容体刺激によりL-arginineから合成されるNOが神経の可塑的変化としてのメタンフェタミン逆耐性の獲得あるいは発現過程を担う分子の1つであることが示唆された。 続きを見る
本文を見る

類似資料: