ギャップ結合の機能構造発現にかんする分子解剖学的研究

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ギャップ結合の機能構造発現にかんする分子解剖学的研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
Molecular anatomy of functional structural expression of gap junctions.
責任表示:
柴田 洋三郎(九州大学・医学部・教授)
SHIBATA Yosaburo(九州大学・医学部・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1995-1997
概要(最新報告):
本研究では、ギャップ結合の機能構造について、形態学、生化学、分子生物学的手法を用いて解析をすすめ、種々の組織・細胞種およびその機能状態変動にともなう変化に関して、次のような研究成果を得た。 1)ラット歯牙形成過程のエナメル芽細胞層において、未分化細胞間に存在するCx43はエナメル形成直前に一旦消失し、分泌機能の発現とともに再び出現することが示された。 2)ラット卵胞顆粒膜上皮間のギャップ結合ではCx43とCx45が特に初期に混在し、Cx43は成熟とともに増加するが、排卵後の黄体では急速に消失する。この間、リン酸化状態の変化が伴う。 3)妊娠ラットの乳腺においては、腺細胞間にCx32とCx26が混在し、分娩後急速に増加する。周辺の筋上皮細胞間にはCx43が分布し、分娩直後からmRNAと蛋白レベルで急激に増加を示す。mRNAレベルは1日で低下し始めるのに対して蛋白レベルでの増加は数日間持続し、この間Cx43のSDS-PAGEバンドが43kDから45kDへと変動し、両バンドともに免疫沈降精製後のフォスファターゼ処理でいずれも40kDへと低下することから、分娩後のCx43が第一リン酸化状態(P1)から第二リン酸化状態(P2)へと遷移することが示された。 4)ラット大動脈・肺動脈、肺静脈、上大静脈の内皮細胞と、下大静脈、心房内膜、左右房室弁の内膜内皮細胞との間に、Cx37とCx40の発現パターンに差異が認められ、内皮細胞をCx40が優位なものとCx37が優位なものに分類できることが示された。 5)ラット気管においてCx37が平滑筋細胞に発現されていることが示された。また、Cx37は生後3週より平滑筋細胞の辺縁にわずかに発現し、成長とともに増加した。Northern blot analysisにより、Cx37のmRNAの存在を確認した。Cx43は生後1週で既に気管平滑筋に発現し、Cx37とそのほとんどが共存していたが、Cx40との共存はない。 6)モルモット小腸壁においては、Cx43は輪走筋外層の平滑筋細胞間および深部筋神経層内に見られ、vimentin陽性部位に一致し、actin陽性部位とは重ならないため、線維芽細胞様細胞に発現すると考えられる。ラット、イヌでは深部筋神経叢内にCx45が発現されていた。また、大腸壁ではCx43は筋層下神経叢に見られ、同様の所見から線維芽細胞様細胞に発現すると考えられた。また、Cx43陽性斑はc-Kit陽性細胞に一致していた。これらの結果から、Cx43が消化官運動のペースメーカ細胞と考えられている間質細胞に発現され、消化管運動の調節に重要な役割を果たしていることが示された。 以上のようにギャップ結合は、電気生理学的および生化学的に異なる特性をもつ構成要素タンパクからなり、同一の組織・器官にみられるギャップ結合であっても、発生の各段階にみられる変化や、機能状態に応じたリン酸化状態の遷移、変化など、分子状態は機能と密接に関連していること、また、心臓、消化管における運動のペースメーカ細胞に見られたように、特定の分子種が特定の機能を果たす組織・器官に特異的に発現されることが明らかとなった。 続きを見る
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