新規のイノシトール1,4,5-三リン酸結合蛋白に関する研究

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新規のイノシトール1,4,5-三リン酸結合蛋白に関する研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
Studies on A Novel Ins (1,4,5) P_3 Binding Proteins
責任表示:
平田 雅人(九州大学・歯学部・助教授)
HIRATA Masato(九州大学・歯学部・助教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1995
概要(最新報告):
イノシトール1,4,5-三リン酸(Ins(1,4,5)P_3)は細胞内小胞体の含有するCa^<2+>を放出させることにより、細胞内情報伝達系の重要な一翼を担っている。研究代表者らは、一連のIns(1,4,5)P_3アナログを用いた研究から分子量130kの新規のIns(1,4,5)P_3結合蛋白(p130)を単離した。そしてこの蛋白分子はIns(1,4,5,6)P_4の結合活性をも有していることを間接的に明らかにした。一方、米国の研究分担者らは細胞内におけるイノシトールリン酸の代謝経路の詳細かつ精緻な解析からIns(1,4,5,6)P_4の生理的役割の重要性について述べてきた。本研究では、新しいIns(1,4,5)P_3結合分子がIns(1,4,5,6)P_4結合活性を有していることを直接的に証明し、この分子の生理的役割を解明すべく、国際共同研究を推進した。また本研究の遂行中にp130をコードする全長遺伝子の単離に成功した。そこで、ホ乳動物細胞株にこの全長遺伝子および欠損遺伝子をトランスフェクトしてIns(1,4,5)P_3結合領域を特定する実験も併せて行った。 1.代表者の研究室ではShears博士にIns(1,4,5)P_3親和性カラムの作製とそれを用いたp130の調製に慣れてもらい、Ins(1,4,5)P_3親和性カラムを持ち帰ってもらった。 2.一方、Shears博士の研究室では七面鳥赤血球を酵素源として、市販の[^3H]Ins(1,3,4,5)P_4から比放射活性の高い[^3H]Ins(1,4,5,6)P_4を調製した。ラット脳から調製したp130に対する[^3H]Ins(1,4,5,6)P_4結合活性を検討し、p130がIns(1,4,5)P_3とともにIns(1,3,4,5)P_4に対しても同じ親和性で結合活性を持っていることを直接証明した。 3.この蛋白の種々のイノシトールリン酸(Shears博士の研究室で利用可能なもの)に対するホスファターゼ活性やキナーゼ活性を測定したが、いずれの活性も見い出せなかった。 4.p130の全長遺伝子をホ乳動物細胞株にトランスフェクトし、細胞質画分を得て、Ins(1,4,5)P_3結合活性を測定した。生化学的にラット脳より調製したp130と同様の活性が認められ、p130が本当にIns(1,4,5)P_3結合蛋白質であることが証明された。 5.種々の部位の欠損遺伝子をトランスフェクトし、全長遺伝子を用いた実験と同様に、トランスフェクトした細胞質のIns(1,4,5)P_3結合活性を測定した。その結果、N末端116〜232残基の領域が結合活性を担っていることが分かった。この領域はプレックストリン相同領域と呼ばれている領域であった。 6.種々のイノシトールリン酸やIns(1,4,5)P_3アナログを用いて結合特異性を調べ、p130のプレックストリン相同領域でどのような相互作用がIns(1,4,5)P_3結合に重要であるかについて検討した。イノシトール環の4、5位に二つのリン酸基が存在することが結合には本質的に重要で、1位のリン酸基の存在は親和性を高めることが明らかになった。また、3位の水酸基はp130と水素結合をしていることも分かった。これに対して、2、6位の水酸基は相互作用をしていないことも分かった。これらの水酸基の周辺は立体的に広く開いており、大きな置換基が存在しても相互作用にはあまり影響しないことも分かった。 7.p130のアミノ酸残基95〜232(プレックストリン相同領域)のみを大腸菌に発現させる系を作った。大腸菌600mlのカルチャーから精製小分子を約60mg得た。この小分子も結合親和性がもとの分子に比べて約1、000倍程度落ちていたが、同様の結合特異性でIns(1,4,5)P_3結合活性を有していた。 8.p130は内在性に細胞質画分と細胞膜画分の両者に存在するが、トランスフェクトした細胞でも両画分に存在していた。プレックストリン相同領域を持つ蛋白質はそこで細胞膜に局在する機序が提案されているが、このp130ではプレックリストリン相同領域を欠いた分子でも細胞膜に局在でき、別の機序を考えねばならず、検討中である。 続きを見る
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