心筋梗塞後の心筋再構築に関する分子生物学的研究

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心筋梗塞後の心筋再構築に関する分子生物学的研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
Molecular Biological Approach to the Genesis of Myocardial Remodeling After Myocardial Infarction
責任表示:
畑 知二(九州大学・生体防御医学研究所・講師)
HATA Tomoji(九州大学・生体防御医学研究所・講師)
本文言語:
日本語
研究期間:
1995-1996
概要(最新報告):
【緒言】心臓は、一旦心筋梗塞に陥ったり圧負荷が加わると、心筋の再構築が生じることが知られ、この原因に心筋のレニン・アンジオテンシン(RA)系が関与していることが推察されている。臨床においても心筋梗塞を主要な成因とする心不全患者において、RA系を修飾するアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤の長期投与が有意に長期生存率を上げるという報告がある。本研究でRA系の阻害が心筋梗塞後心筋に対してどのような保護効果があるかを分子生物学的に検討した。 【方法】雄性ウィスター・ラットを麻酔下に開胸し左冠動脈起始部付近で結紮して心筋梗塞を作成した。術後1〜12週後に心臓を摘出し、TTC、Evans Blueで染色して梗塞部と非梗塞部に分け、コラーゲン含量、ACE活性、アンジオテンシン(Ang)ll受容体(AT1)結合能およびRT-PCR法によりACE、Angll受容体のmRNAの発現をみた。また、術後3日目よりAT1拮抗剤としてE-4177(3または10mg/kg/day)、ACE阻害剤としてEnarapril(3または15mg/kg/day)を屠殺日まで経口投与し、同様の検討を加えた。さらに、圧負荷肥大心モデルにて同様の検討を加え、比較した。 【結果】心筋梗塞作成4週後より心重量、心筋のコラーゲン含量、ACE活性、AT1受容体数およびACEとAT1のmRNAの発現は、同週令のSham手術群に比べ、著明に増加し、観察末期の12週後まで続いた。これらの変化は高濃度のACE阻害剤またはAT1拮抗剤にて正常化または著明な改善をみた。さらに、これら治療群では、末治療心筋梗塞群全例でみられた3ml以上の胸水貯留はみられず、心筋形質膜のNa^+-Ca^<2+>交換能の低下も正常化した。これらの変化は圧負荷肥大心モデルでの変化とほぼ同様の傾向を示した。また、観察期間中、梗塞巣のサイズの治療による縮小はみられなかった。 【総括】以上のことより、心筋梗塞後の心筋再構築により、残存心筋は肥大し線維化が亢進したが、これらの変化には心筋のRA系が深く関与しており、RA系の阻害作用を持つACE阻害剤やAT1拮抗剤は心筋梗塞後の心筋再構築や心不全に対する重要な治療薬となり得ることが推察された。 続きを見る
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