国際環境汚染をめぐる民事紛争処理の総合的研究

閲覧数: 2
ダウンロード数: 0
このエントリーをはてなブックマークに追加

国際環境汚染をめぐる民事紛争処理の総合的研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
Comprehensive research on conflict resolutions in the field of international environmental civil disputes
責任表示:
河野 俊行(九州大学・法学部・教授)
KONO Toshiyuki(九州大学・法学部・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1995-1996
概要(最新報告):
以下の点が明らかになった。すなわち、国際環境汚染をめぐる紛争の解決策のひとつとして、国家が責任を引き受ける、という仕方が考えられる。国家は責任の所在を明確にすることを嫌い、それは国際環境法における不確実さにつながり、それがまた国家のコミットメントを遠ざけるという悪環境に陥る傾向にある。民衆訴訟はクラスアクション、司法積極主義ともあいまって人権の拡大に大きな役割を果たしたことは疑いなく大きな功績であるが、それが法的に執行可能な権利に結実することがきわめて希である点に、その弱点がある。上述したように民事訴訟による環境汚染責任追及は、その機能発揮を期待される反面で、現行の制度上の未整備もあって、もっとも効果的に責任追及が出来るとはいいがたい現状にある。そこでこれを補完する形で、交渉による紛争解決処理がどの程度の有用性を持つか、が検討されなければならない。総じて交渉を訴訟と比べた場合、当事者にとって大きな意味を持つのは訴訟費用、時間を双方含め意味でのコストではないか、と思われる。 もっとも少なくとも大規模な環境紛争の事例を検討してみると、交渉による解決が常に早くかつ安上がりにつく、とはいえないようである。むしろメリットとしては、裁判所が「命じる」解決よりも、交渉による解決は当事者により受け入れやすい決定をする可能性を持つという点にあるようである。ただその場合に、利害を有する関係者またはその代表が交渉の場に出席する機会をきちんと与えられていることが不可欠であり、この点が欠けるならば交渉のプロセス自体に疑問が投げかけられ、その結果ことはかえって粉糾することになる。 複雑かつ専門的な知識を必要とする環境紛争においては、訴訟というメカニズムは「真実」を明らかにしているという少なくとも外観を持つため、多くの場合、関係者は訴訟に傾く傾向があることは否定できない。というのは交渉はあくまで対立する利益の調節にすぎず、「正解」を与えるものとしては受け取られないからである。また交渉においては、利益調節の前提として、相手方に自分の主張も多かれ少なかれ正当性を持つことを認識されることが必要であるのに対し、訴訟においてはその必要がないこともかかる傾向を助長している。 続きを見る
本文を見る

類似資料:

1
Rethinking the Social Functions of Civil Litigation by Wada, Yoshitaka; 和田, 仁孝
7
救済法の観点による民事手続過程の再構築 by 川嶋 四郎; KAWASHIMA Shiro
2
民事手続判例研究 by 家令, 和典; Karei, Kazunori; 福岡民事訴訟判例研究会; Fukuoka Civil Procedure Seminar
3
民事手続判例研究(一) by 福岡民事訴訟判例研究会; Fukuoka Civil Procedure Seminar; 八田, 卓也; Hatta, Takuya
9
国際取引における特許・商標権の研究 by 河野 俊行; KONO Toshiyuki
4
民事手続判例研究(二) by 福岡民事訴訟判例研究会; Fukuoka Civil Procedure Seminar; 宮永, 文雄; Miyanaga, Humio
5
民事手続判例研究 by 福岡民事訴訟判例研究会; 鶴田, 滋; Fukuoka Civil Procedure Seminar; Tsuruta, Shigeru
6
民事手続判例研究 by 宮永, 文雄; Miyanaga, Fumio
1.
Rethinking the Social Functions of Civil Litigation by Wada, Yoshitaka; 和田, 仁孝
2.
民事手続判例研究 by 家令, 和典; Karei, Kazunori; 福岡民事訴訟判例研究会; Fukuoka Civil Procedure Seminar
3.
民事手続判例研究(一) by 福岡民事訴訟判例研究会; Fukuoka Civil Procedure Seminar; 八田, 卓也; Hatta, Takuya
4.
民事手続判例研究(二) by 福岡民事訴訟判例研究会; Fukuoka Civil Procedure Seminar; 宮永, 文雄; Miyanaga, Humio
5.
民事手続判例研究 by 福岡民事訴訟判例研究会; 鶴田, 滋; Fukuoka Civil Procedure Seminar; Tsuruta, Shigeru
6.
民事手続判例研究 by 宮永, 文雄; Miyanaga, Fumio
7.
救済法の観点による民事手続過程の再構築 by 川嶋 四郎; KAWASHIMA Shiro
9.
国際取引における特許・商標権の研究 by 河野 俊行; KONO Toshiyuki