スナガニ科の社会進化の生態学的研究

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スナガニ科の社会進化の生態学的研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
Ecological Studies on the Social Evolution in Ocypodid Crabs
責任表示:
村井 実(琉球大学熱帯生物圏研究センター・教授)
MURAI Minoru(琉球大学熱帯生物圏研究センター・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1994-1995
概要(最新報告):
村井、古賀:UCA類では地下型の交尾の多さは種によって異なり、求愛ディスプレイの発達の程度と関係しているが、地下型は地上交尾より父性率が高いので、雄にとって好ましく、地下型の頻度の高い種では地上型の変形が起こる事が期待できた。地下型のないUCA SPINATAでは、地上型は、穴を持った雄が移動しながら、かなり離れた所まで求愛にでかけた。最高17穴(時間あたり)訪れ、7匹の雄に1から数回求愛した。交尾も観察できた。地下型の発達したU.TETRAGONONでは、放浪雌を自分の穴に招き入れるためには雄は穴の近くにいて求愛ディスプレイを行い、前種のように穴から大きく離れず、そのため地上交尾はすぐ隣の穴の雌に限られ、終わるとすぐ穴に戻った(サリ-型)。地上交尾は、父性率の高い地下型に有利なように変形した。 松政:餌について潜在的競争関係にある2種の共存様式を、U.SPINATAとILYOPLAX類の泥干潟での巣穴をめぐる関係から検討した。ILYOPLAX類は積極的にUCAの巣穴を利用し、その密度は後者のサイズや性による行動の違い、前者の繁殖様式に関係した。次に、干潟カニ類の陸適応様式に関し、「生理的淡水適応が潮間帯上縁での水分補給を保証している」と言う仮説をU.ANNULIPESで検討した。本種は最も陸側に生息し、汽水での体液浸透圧維持機能をもつが、淡水では体液浸透圧が低下、死亡率が増加した。それは、さい室上皮での空気呼吸に関連したえら(塩類吸収の場)の減少によると考えられ、淡水への忌避行動も見られた。活動個体分布は潮汐パターンにより変化し、巣穴水塩分は淡水の影響を受ける所でも高かった。生理的調節に加え、行動、生態的な特性が重要と考えられた。 武田:スナガニ科の1種DOTILLA MYCTIROIDESが砂質干潟に作るIGLOOと呼ばれる巣穴の形成方法を調べた。カニはIGLOO形成を通じて、低質表面に空気を閉じ込めた小さい部屋を形成し、この空気室の底から底質を掻き上げたり、天井の底質を掻き落とすことで、空気室と共に底室中を上下に移動した。この方法で、トンネル式の巣穴が形成できないような砂質干潟でも、地下水位下の深い安全な所まで潜る事ができた。次にU.TETRAGONONの食性を調べた。本種は転石潮間帯に生息し、転石に堆積したものや付着している藻類などを餌とし、巣穴を中心としたなわばりを形成した。その大きさは転石の量と負の相関があった。また砂泥質潮間帯にすみ底質表面に堆積した有機物を餌とするU.VOCANSと行動の比較をした。 駒井:プ-ケット島で分類学的観点からスナガニ科の調査をした。4亜科10属34種を採集した。そのうちOCYPODE CORDIMANAとU.TRIANGULARIS TRIANGULARISの2種がプ-ケットから今回初めて記録された。特に、後者のマレー半島西側からの記録はこれまでなく、U.TRIANGULARIS BENGALIと同所的に生息することが確認された。両亜種は色彩や形態の細部においても異なる。従来、両タクサの分布がマレー半島を境に分かれる事から亜種のランクが与えられたが、今回の発見は別種である可能性を示唆する。ILYOPLAX属はマレー半島西側から記録されていた7種全てが採集された。本属は形態が多様で、将来数属に分割される可能性がある。 和田,小菅:韓国の江華島で、ILYOPLAX PINGIがMACROPHTHALMUS BANZAIの巣穴に自分の巣穴を連結させたり寄居する有様を調べた。前者はなわばり性を示さず、活動時間の殆どを採餌に使った。また両者の間には、排斥的あるいは相互扶助的な行動はなかった。ベトナム、ハイフォンにあるCAM RIVERの河口域で、日本のチゴガニや韓国のI.DENTIMEROSAと同じように、I.NINGPOENSISが他個体に対してバリケード構築と巣穴ふさぎを行う事を見つけた。しかしバリケードはその効果が認められたが、巣穴ふさぎの効果は不明瞭であった。さらに、同河口域の河口部から汽水域最上部までの潮間帯における十脚甲殻類の分布を定量的に調べた。出現種は、台湾、中国南部に分布する種、つまり亜熱帯要素によって占められていた。 続きを見る
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