ヒト胎児の知覚系・運動系の神経制御ならびに機能発現機構の発達過程に関する研究

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ヒト胎児の知覚系・運動系の神経制御ならびに機能発現機構の発達過程に関する研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
Sensory and Motor Activity Development in the Human fetus
責任表示:
中野 仁雄(九州大学・医学部・教授)
NAKANO Hitoo(九州大学・医学部・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1994-1996
概要(最新報告):
本研究において得られた諸種の行動の観察から、ヒト胎児行動の個体発生過程は、実験動物で明らかにされている神経学的な発達過程とよく一致することが分かった。 1)眼球運動や心拍数変動に係わるウルトラディアンリズムの制御中枢は、延髄から橋にかけて存在し、妊娠30週にはその機能を開始する。妊娠末期における胎児心拍数変動をモデルとした研究から、胎児のサーカディアンリズムを制御する生物時計は、母体すなわち外的環境によって位相振幅が変化することが分かった。 2)妊娠33週以降では、ヒト胎児の緩速眼球運動は急速眼球運動とともに生起すること、眼球運動と同期して陰茎が勃起することから、橋におけるレム睡眠の中枢が妊娠のこの時期に機能を開始することが分かった。妊娠35週になれば、規則的な口唇運動が無眼球運動期に同期することから、橋から視床皮質路を介して大脳半球にいたるノンレム睡眠の中枢が、この時期に機能を開始することが分かった。これらの所見は、ヒト胎児においても、中枢神経系機能は、尾側から頭側の順に発達してくることを示唆している。無脳児における胎児心拍数変動の研究も、このことを支持している。妊娠末期における胎児の瞳孔散大と眼球運動期との関連性から、既に胎児においても覚醒と呼ばれる状態が存在することが示唆された。 3)妊娠末期の胎児では、眼球運動期の開始と排尿との間に高い同期性が認められた。本事象は、各々を制御する中枢がともに橋に存在し、解剖学的に近接するため、両中枢神経間の余剰神経連結の発現であると解される。骨盤位における眼球運動の方向パターンは、頭位におけるそれとは異なることが示された。しかしながら、その神経学的な解釈については、今後検討を要する。 4)妊娠末期におけるヒト胎児行動の評価から、少なくとも脳幹に限局した病変を有する症例では、出生前にその解剖学的な局在を診断することが可能であることが明らかとなった。 続きを見る
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