【★1002】辻仁成:昭和34年10月4日、東京都南多摩郡日野町(現・日野市)の生まれ。小説家。保険会社のサラリーマンだった父親の転勤に伴い一家は全国各地を転々とし、39年、4歳のとき福岡市平和町に引っ越し、市内平尾の円童幼稚園から市立西高宮小学校に入学した。隣の佐賀県に祖父母が暮らしていたという。46年3月、11歳のとき帯広市に転居し、2年後、函館市に移った。54年、函館西高校を卒業し、成城大学経済学部に入学。映画研究会に入部し、またバンド活動に熱中。翌55年9月、大学を中退し、ロック・バンド「ECHOES」を結成。5年後、CBSソニーから「Welcome To The Lost Child Club」でデビュー。平成元年10月、小説「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞。また詩作も試み、福間健二主宰の詩誌「ジライヤ」に参加。「海峡の光」(「新潮」平8・12)で第116回芥川賞を受賞した。平成11年9月、初の制作監督映画「千年旅人」をベネチア国際映画祭に出品。同年11月、福岡県筑後地方で生きた祖父の生涯を描いた『白仏』(コリーヌ・アトラン訳、メルキュール・ド・フランス刊)でフランスのフェミナ賞(外国小説部門)を受賞。フェミナ賞は1904年創設。著書に『ピアニシモ』(集英社、平2・1)『クラウディ』(集英社、平2・6)『カイのおもちゃ箱』(集英社、平3・6)『ガラスの天井』(集英社、平4・3)第1詩集『屋上で遊ぶ子供たち』(集英社、平4・10)『海峡の光』(新潮社、平9・2)などがある。