<その他>
福岡都市圏近代文学文化年表 ; 平成7年
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登録日 | 2013.08.21 |
更新日 | 2021.12.14 |
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花田, 俊典
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スカラベの会
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文学作品:1月 白石一郎『孤島物語』(新潮社)片山恭一『きみの知らないところで世界は動く』(新潮社)渡辺斉『わが庭』(錫言社)2月 久津晃『天使の喇叭』(雁書館)髙樹のぶ子『花弁を光に透かして』(朝日新聞社)樋口修吉『シネマ倶楽部』(集英社)中村光至『密告者(インフォーマー)のリスト』(光文社)谷川雁『北がなければ日本は三角』(河出書房新社)3月 白石文郎『寵児』(海越出版社)清水修一『米の山』(石川書房)高山八郎『夢奪われし子ら』(海鳥社)隈智恵子『バランスシート』(雁書館)4月 「私の文人交友録」(「読売新聞」西部版、1日―9年12月27日)夏樹静子『クロイツェル・ソナタ』(講談社)友成純一『幽霊屋敷』(角川ホラー文庫)梅崎流青『蟹の足』(私刊)宅嶋徳光『くちなしの花―ある戦歿歿学生の手記』(光人社)門田照子『過去からの返信』(本多企画)5月 岡部隆介『魔笛』(本多企画)六百田幸夫『宇美通信』(私刊)髙樹のぶ子『水脈』(文藝春秋)松原一枝『中村天風先生 積極人間の大原則』(海竜社)大西巨人『迷宮』(光文社)森禮子『献身』(白水社)土井敦子『岩洞御女』(近代文藝社)藤渡由久子『黄鐘(わうしき)』(短歌新聞社)湯川久子『年々去来の花』(石風社)太田耕造『火の雨が降ってくる』(はぴねす文庫)結城宕園『結城進漢詩集・三』(私刊)6月 長谷川法世『走らんか!』(集英社)白石文郎『寵児』(海越出版社)西村聡淳『殉難の日』(梓書院)山城高常『戦場のトンボ―少年からみた沖縄戦』(ニライ社)7月 那珂太郎『鎮魂歌』(思潮社)杉本章子『残映』(文藝春秋)森崎和江『二つのことば・二つのこころ』(筑摩書房)海老井英次編『ふるさと文学館 福岡Ⅱ』(ぎょうせい)加賀博子編『林市造遺稿集 日なり楯なり―日記・母への手紙(改訂版)』(櫂歌書房)8月 原口真智子「クレオメ」(「季刊午前」)岡たすく『深夜の物差し』(詩土社)吉武俊子『樹層以後』(八重岳書房)9月 藤原智美『だから役にたつ仕事』(PHP研究所)脇川郁也『バカンスの方法』(本多企画)久丸修『悪夢の黙示録』(双葉社)10月 髙樹のぶ子『億夜』(講談社)夏樹静子『妻たちの変身』(光文社)夏樹静子『乗り遅れた女』(双葉社)11月 山本とし子『句集 貝塚』(天満書房)12月 松田軍造『佇む時の中で』(国鉄詩人連盟)中島寿子『ヒポクラテスの樹』(短歌新聞社)■この年、松本ヤチヨ・他『合同句集 菜の花』(私刊)松井喜久雄編『川柳博多祭事記―泉淳夫句集』(私刊▲市図)大神善次郎『自画像』(短歌新聞社▲市図)
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文学的事跡:1月 「詩人・安西均展」、筑紫野市歴史民俗資料館で開催(6日―3月31日)。王塚跣没(8日)。3月 第25回(’94)福岡市文学賞表彰式、西鉄グランドホテルで開催、受賞者は評論=織坂幸治【★989】、詩=羽田敬二【★990】(『天の秤』)、短歌=大野展男(のぶお)【★991】、俳句=柴田佐知子【★992】、川柳=藤田菁彦(あおひこ)【★993】(7日*発表は2月7日)。6月 文芸誌「西域」が第24号で終刊。福田清人没(13日)。持田勝穂没(25日)。7月 福岡県詩人会総会、ベルプラザ博多で開催(9日)。赤瀬川隼(三重県生まれ・少年時に門司市在住)が「白球残映」で第113回(平成7年前半期)直木賞に決定(18日)。8月 第5回白鳥忌、天神ビル11階で開催(6日)。11月 白石一郎が第54回西日本文化賞を受賞(3日)。福岡県詩人会福岡支部主催の「福岡の詩祭〈詩の朗読とワインの夕べ〉」、天神ビル8階で開催(18日)。
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社会文化事項:2月 第2回福岡県文化賞授賞式、受賞者は森崎和江(創造部門)・杉本章子(奨励部門)・葦書房(特別部門)(18日)。6月 ブルースシンガーの新井英一【★994】が音楽CD「清河(チョンハ)への道~48番」(日本クラウン)を発売しヒット(21日)。7月 林市造遺稿集『日なり楯なり(改訂版)』(櫂歌書房)刊行(12日)。8月 パリに映画誕生100周年を記念して「バック・トゥ・ザ・ムービーズ―福岡市の映画と映画館100年の歩み展」、福岡市天神のイムズ・ホールで開催(11日―20日)。ユニバーシアード福岡大会開幕(23日)。10月 河北倫明没(30日)。11月 白石一郎が第54回西日本文化賞(社会文化部門)を受賞(3日)。第20回福岡市文化賞授賞式、西鉄グランドホテルで開催、受賞者は山本哲也〔文学=詩〕・豊福知徳〔美術=彫刻〕、第2回福岡市民文化活動功労賞は千々和眞帆美・宮崎集(8日*発表は10月17日)。大相撲九州場所で「若・貴」(若乃花・貴乃花)の兄弟決勝戦(26日)。
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日本・世界事項:1月 阪神淡路大震災(17日)。米スミソニアン「原爆展」中止決定(30日)。3月 東京の地下鉄でサリン事件(20日)。4月 東京都知事に青島幸男、大阪府知事に横山ノック当選(9日)。7月 九州自動車路が全面開通(27日)。9月 「創元ライブラリ」(文庫)刊行開始。
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【★989】織坂幸治:昭和5年1月1日、福岡市管内町(略)の生まれ。詩人。本名は中村靖。父は中村甚右衛門、母はフクヨ。3人きょうだいの長子。11年4月、福岡市立警固小学校に入学し、3年生の途中から内蒙古の張家口で満蒙電力に勤務していた父親のもとに家族して転居。当地の日本人小学校に転入したが、ほとんど登校せず、馬賊に憧れた。小学5年生の終わり頃に中学受験のため祖母と二人で帰国。17年4月、旧制福岡中学に入学。20年3月、福岡中学の校長・教頭に勧められて海軍甲種飛行予科練習生(16期)として小富士海軍航空隊に入隊。佐賀県玄海町仮屋の震洋基地に配属となり、落盤事故で右足負傷。隣村の小学校の宿直室に収容され敗戦を迎えた。21年3月、福岡中学に復学し同校を卒業。21年4月、西南学院英文科に聴講生として入学したが、翌年退学。ユニバーサル映画会社、電通勤務をへて、49年7月、福岡市博多区祇園町に「珈琲亭ぼんくら」を開店(63年2月閉店)。昭和62年、文芸同人誌「海」創刊に参加し発行人となる。平成7年、「言語風景論」で第25回福岡市文学賞。「織坂幸治(電通九州支社勤務)/夜の中洲を歩いていると、彼に出会うことがある。ギター片手に、流しのエンカ師と一緒にふいにこちらを向くのが織坂幸治である。歌もうまいが、特に物まねは素人はだしで、森繁や勝新太郎の座頭市などやると、投げ銭の額もぐっと多くなる。酒量をとりもどし、一升ぐちは普通だ。しかし酒に呑まれないのがおもしろい。/どちらかと言えば、ふだんでも酔っている。人生に酔い、女に酔い、友情に酔っている。昭和五年一月一日生まれというほどのよさが泣かせる。当年すでに三十八才。二児の父である。/詩集は「掌のなかのひらがなの街 掌ノナカノカタカナノ街」「石」「壺」の三詩集を出版し、その特異な抒情と古典的な味わいは、読者に深い親愛の情と愛情をおこさせている。/第四詩集は「愛」をテーマにして書きたいと意欲をもやしている。/湯川さんも書いていたように、終戦後、詩誌「海図」の同人として活躍、次に「詩科」に参加し、現在はフリーである。/電通のコピーライターとして五年間のキャリアがあるが、その前は映画会社のユニバーサル、メトロ、と転々、職をかえること十七回の記録を持っている。そのうち天職の歴史も書きたいと言っている。/詩人とは、詩を書くものであると同時に、詩を生きるものでなくてはならない。織坂の八方破れ的な生き方については、だらしないという評も出ようが、そのことの成否にかかわらず、生きることの誠実さにおいて、毅然たるものがあるように思う。詩精神が彼をして人生の泥沼にのたうちまわらせているとすれば、その生の重さには貴重な影がやどっているにちがいない。/本名、中村靖。」(各務章「会員紹介」、「福岡県詩人会会報」№8、1968.5.10)福岡市中央区谷在住。
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【★990】羽田敬二:大正15年4月20日、大分県竹田市の生まれ。詩人。旧制竹田中学を卒業後、昭和19年、海軍第14期甲種飛行予科練習生を志願。人間魚雷「回天」の乗員として訓練を受ける。昭和25年、長崎青年師範学校卒。その後、福岡土地区画整理協会に26年間勤務。同人誌「詩科」「ALMÉE」「詩像」「河」に参加。平成7年、第25回(’94)福岡市文学賞。詩集に『未明』(昭59)『豊後岡城詩抄』(昭63)『天の秤』(平6)などがある。
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【★991】大野展男:大正13年10月20日、山口県の生まれ。歌人。昭和18年、多磨短歌会に入会。19年、大洋漁業に入社。28年、「コスモス」創刊と同時に入会し、63年、コスモス賞。平成7年、第25回(’94)福岡市文学賞。歌集『鰤とブロイラー』(伊麻書房、平6・4)などがある。
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【★992】柴田佐知子:昭和24年1月10日、福岡市の生まれ。俳人。昭和61年、「白桃」に入会し、伊藤通明に師事。平成5年、第7回俳壇賞を受賞。簡易保険大濠俳句大会で2年連続大会賞。平成7年、第25回(’94)福岡市文学賞。句集『筑紫』(本阿弥書店、平2・5)『歌垣』(富士見書房、平6・7)『母郷』(角川書店、平10・●)などがある。
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【★993】藤田菁彦:大正12年1月31日、佐賀県の生まれ。川柳作家。昭和29年、職場の文芸誌で川柳を知る。35年、福岡市に転勤となり、筥松川柳会に入会。60年、ふあうすと川柳社に参加。川柳人間座誌友。城南川柳サークル代表。平成7年、第25回(’94)福岡市文学賞。
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【★994】新井英一:昭和25年3月、福岡市の生まれ。歌手。父母とも在日韓国人。本名は朴英一(パク・ヨンイル)。15歳のとき家出し、岩国の米軍キャンプでバーテンダーとして働き、ブルースに心酔。21歳のとき渡米して独学でブルースを学び、帰国後、東京で内田裕也に見出され、昭和54年、アルバム「馬耳東風」でデビュー。61年、父親の故郷である韓国慶尚北道清河(キョンサンブクド・チョンハ)を訪ね、平成7年、「清河への道~48番」を作詞作曲し発売。日本レコード大賞アルバム賞を受賞した。日本人でも韓国人でもない「コリアン・ジャパニーズ」を自称。「泗水(康一) お父さんはいつごろ日本にいらしたんですか。/新井(英一) 大正十年(一九二二年)、十四歳の時、日本に強制連行されて来ました。僕が一歳の時、親父は肺結核で入院したんです。古賀の療養所(福岡県粕屋郡)に。それ以来病院暮らしで、僕が初めて親父の顔を見たのは五歳か六歳の時です。おふくろは廃品回収業者で女手一つで子供四人育てています。」(KBCラジオ制作部編『マイク50 戦後九州の主人公たち』梓書院、平8・7)
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1995
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平成7年
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登録日 | 2013.08.21 |
更新日 | 2021.12.14 |