血管新生と増殖因子応答に関する共同研究

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血管新生と増殖因子応答に関する共同研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
Joint Study on Angiogenesis and Growth Factor Responses
責任表示:
桑野 信彦(九州大学・医学部・教授)
KUWANO Michihiko(九州大学・医学部・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1994-1995
概要(最新報告):
我々桑野信彦、小野眞弓、佐藤靖史及び河野公俊は、宮園浩平博士、Daniel B.Rifkin博士及びHsigang-fu-Kung博士らの協力の元に共同研究を進め以下の研究実績を得た。 1.ヒト軟骨細胞とヒト最小血管内皮細胞との共培養によって、軟骨細胞より生産されるTGF-βが関腔形成に阻害的に働いていることを明らかにした。この結果は、軟骨の無血管について一部はTGF-βが関与している可能性を示唆している。 2.ヒト最小血管内皮細胞はマトリゲル上で毛細血管様のネットワークを形成する。その際にプラスミノーゲン・アクチベータの活性化が大切であることを観察した。更にHGFによる管腔構築には、プラスミノーゲンの活性化が必須であることを明らかにした。 3.ヒト最小血管内皮による管腔形成にEGF/TGFαは促進的にTNFαの長時間処理は阻害的に働くことを観察した。その際にEGF/TGFαと同様にEGF受容体のリン酸化がTNFαによっても誘導された。しかしTNFαによるリン酸化はセリン残基に主として生じていた。血管内皮におけるEGFとTGFαによる共通のシグナル伝達がEGF受容体を介している可能性を示唆した。 4.牛のアンギオゲニンは初乳に極めて高濃度含まれている。牛アンギオゲニンは牛大血管内皮細胞のプラスミノーゲン・アクチベータの発現を上昇させ、管腔形成を促進することが見い出された。 5.ヒト脳腫瘍においてグリオーマ並びにメニンジオ-マの10数症例について外科的切除標本について、新生血管の数を第8抗体で染色して定量した。更にTGFα,TGFβ,bFGF及びVEGF/VPFのmRNAレベルをGAPDHmRNAレベルで標準化して定量化した。その結果、VEGFの発現量がヒト脳腫瘍の血管新生能と相関することが見い出され、VEGFの血管新生への関与が示唆された。 6.ヒト脳腫瘍グリオーマ細胞株とヒト細小血管内皮細胞との共培養系において一つの細胞株では主としてVEGFが関与していることそれにもう一つの細胞株では、IL-8が関与していることを各々の特異的な中和抗体を添加することにより示すことができた。 7.ヒト細小血管内皮による管腔形成をEGF/TGFαが促進するが新たにEGFファミリーに属するヘパリン結合EGF(HBEGF)にも強い誘導活性が見い出された。特にその際にp91の活性化とプラスミノーゲンの発現上昇が見られた。 8.活性型オンコジンH-rasによってEGF受容体発現の低下すなわちダウン調節が見い出された。そのダウン調節はもう一つのオンコジンV-mycの導入により回復がみられた。その調節には転写因子AP-1が関与していることをdominant-negative c-junの変異体を利用することにより示唆した。 9.酸化ストレスは炎症その多の疾病の病態と深く関与している。酸化ストレスによる血管新生の有無をH202存在下に見たところ、非常に強く管腔形成が誘導された。その分子機序として転写因子NFχBの関与がアンチセンス・オリゴを用いて明らかにでき、更にIL-8によるオートクライン制御が示唆された。 10.抗潰瘍剤イルソグラジンは血管内皮細胞のプラスミノーゲン・アクチベータの発現を阻害することを見い出していた。本研究でマウス生体内におけるグリオーマの増殖とその血管新生の誘導がイルソグラジンの注口投与により阻害されることが初めて観察された。他方、移植した肝細胞やグリオーマによって誘導される生体内の血管新生も強く阻害されることが見い出された。細胞-細胞接着に働くといわれる同薬剤がどのような機序で血管新生を阻害するかは不明である新しい血管新生標的薬剤として今後研究を進めていきたい。 続きを見る
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