気孔孔辺細胞情報伝達系の分子生理学的共同研究

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気孔孔辺細胞情報伝達系の分子生理学的共同研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
Molecular Physiology of Signal Transduction in Guard Cells
責任表示:
島崎 研一郎(九州大学・理学部・教授)
SHIMAZAKI Ken-ichiro(九州大学・理学部・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1994-1995
概要(最新報告):
1.オート麦の栽培法を確立した。原形質膜単離に根を用いるので、あとの処理の容易さを考えて、水耕栽培を採用した。水耕栽培は環境制御温室中で25°で行ない一週間で収穫した。水耕液は1/1000のハイポネクスにマンガン、鉄等の微量要素を添加したものを用い、空気を爆気しながら栽培した。 2.オート麦の根から水性2相分配法によって原形質膜を単離した。根の破砕は原形質膜の収率が良く、活性が高くなるワーリングブレンダー法に依った。この膜のATPase活性はvanadateに強く阻害され、硝酸イオン、オリゴマイシンなどによってはほとんど阻害されず、純度の高い原形質膜が単離された。また、この膜をSDSPAGEにかけるとプロトンポンプに相当するバンドが濃縮されていた。 3.この膜標品を用いてキナクリン法により螢光消光を指標としてプロトンポンプ活性を測定した。このポンプ活性も孔辺細胞原形質膜と同じく低濃度のCa^<2+>により強く阻害された。プロトンポンピングを50%阻害するCa^<2+>濃度は0.3μMで孔辺細胞原形質膜の値とほぼ同じであった。また、Ca^<2+>の濃度をカルシウムキレータを用いて急激に低下させると阻害された活性が直ちに回復する事から、この阻害は可逆的であった。興味深い事に用いるキナクリンの濃度を1μMから通常用いられる5μMに上げると、Ca^<2+>による阻害の割合が低下した。この理由は現在不明であるが、キナクリン添加によりフリーのCa^<2+>濃度が低下したものと推察された。 4.さらに、ホウレンソウ葉から葉肉細胞の原形質膜を単離した。標品の純度を調べるとオートの根から得られたものに比べて、vanadate感受性が低かった。しかし、Ca^<2+>には良く阻害された。さらに、ソラマメの葉肉細胞プロトプラストから得られた原形質膜のプロトンポンプもCa^<2+>に良く阻害された。 原形質膜のプロトンポンプ活性は根でも、葉でもCa^<2+>に阻害され、Ca^<2+>よるポンプ活性の阻害は植物の組織によらない共通の阻害機構である事を示している。 5.次に、孔辺細胞細胞質のCa^<2+>のイメージングを行なった。材料は孔辺細胞が順序良くならんでおり、ソラマメに比べて細胞壁が薄くマイクロインジェクションを行ないやすいツユクサ表皮を用いた。前年度の研究は米国で行なったので、その時用いたカルシウム指示蛍光試薬カルシウムオレンジを用いた。まずその方法を日本でも行なえる事を確認した。さらに、カルシウム指示薬として新たにロッド2が使えるかどうか調べた。ロッド2をマイクロインジェクションしたのち細胞を1時間以上放置しておいても、ロッド2が細胞内で代謝されずに残存している事、細胞が十分膨圧を保っている事が確認された。蛍光の強度も十分強く感度良く測定されることが分った。カルシウム蛍光試薬が細胞質に入ったか否かは細胞質に存在する葉緑体の周囲に蛍光が見えるかどうかで判断する事が出来た。 6.Ca^<2+>キレータであるEGTAを外から加えると細胞質Ca^<2+>濃度がどのような影響を受けるか調べた。EGTAの灌流により細胞質のCa^<2+>は明らかに低下し、また、EGTAを除くとCa^<2+>の濃度が増加した。この事実は外液のCa^<2+>の変化に応じて孔辺細胞細胞質のCa^<2+>濃度が変化し、その測定が行なえる事を示している。また、Mn^<2+>を外液に灌流すると蛍光が低下しほとんど光らなくなり、これをCa^<2+>の濃度0とし細胞質Ca^<2+>濃度が推定できる事を確認した。 7.次に、光合成を飽和する強さの赤色光を照射して孔辺細胞細胞質のCa^<2+>濃度の変化を調べた。しかし、この赤色光よる顕著な変化は認められなかった。現在、赤色光存在下で青色光の短時間照射をス-パインポウズする為の干渉フィルターを作製している。 8.前年度孔辺細胞から液胞の単離が出来るようになったが、液胞の体積に対するABAの効果をさらに詳しく検討した。特に、液胞の存在している孔辺細胞の環境条件に近づける為、ATPやK^+などを添加したが、現在のところABAの顕著な効果は得られていない。 続きを見る
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