マレーシア熱帯雨林における重要樹林フタバガキ科植物に関する分子集団生物学的研究

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マレーシア熱帯雨林における重要樹林フタバガキ科植物に関する分子集団生物学的研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
Genetic studies of Dipteyocarpaceae in Malaysian rainforests
責任表示:
山崎 常行(九州大学・理学部・教授)
YAMAZAKI Tsuneyuki(九州大学・理学部・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1994-1995
概要(最新報告):
我々はマレーシア半島熱帯雨林のフタバガキ科植物、タイモンスーン林の陸生樹木、タイ及び日本南西諸島のマングローブ林、および日本列島における松科植物の遺伝的多型の研究と分子系統樹作成を行った。そのうち、これまでにDNAの塩基配列の決定まで行ったものは、タイモンスーン林と日本の松科植物だけで、他の植物集団は現在進行中である。1994年度に採集、精製したサンプルを主体とし、1995年度に採集したものも一部解析した。これまでに得られたデータは以下の3種類のものからなっている:タイのチャセンサオで採集した4種(Afzelia xylocarpa,peltophorum dasyrachis,Anthocephalus chinensis,Lagerstroemia calyculata)の樹木クロロプラストのtRNAスペーサー領域のDNA塩基配列を各種10個体前後(7-9個体)、コントロールとして北海道のトドマツ(Abies sachalinensis)9個体の同領域の塩基配列、マレーシア熱帯雨林からのショレア3種(Shorea curtisii,Shorea leprosula,Shorea accuminata)(各種9個体)のRAPD解析のデータ。その結果、タイのモンスーン林から採集された樹木4種にはまったく遺伝的変異が存在していないということが分かった。日本のトドマツやマレーシアのショレアにはそれぞれ0.2%と1%以上の塩基置換(サイトあたりの塩基置換の頻度)があるのに対し、タイの樹木では塩基配列にまったく違いが見られなかった。このような違いが、熱帯林の破壊や減少、長年の焼き畑農業による集団サイズの減少、あるいは乾期と雨期が交互に訪れるモンスーン地域の特性とどのような関わりがあるのかは今後の課題である。今後その他の地理的に異なる集団、その他の種においても同様な結果が得られるかどうか早急に調べる必要がある。その結果いかんでは森林の維持の方法に抜本的な変更が必要になるかもしれない。また、同じくtRNAのスペーサー領域および核遺伝子GAP-Cの塩基配列の結果から樹木の系統関係を明らかにしたが、この系統樹は古典的な表現形を使った系統樹とほぼ同じ関係を示しているようである。このことは種数と遺伝子座を増やすことによって、熱帯樹木の系統関係を定量的に知る上で塩基配列のデータがきわめて優れていることを示している。現在、これらの実験は継続中である。マングローブ林に関してはDNAの精製が終わったところであり、塩基配列決定のための遺伝子の選定とプライマーの作成を行っている。残念ながら、系統樹の完成まではまだほど遠いが、ここ1、2年内には完成できると考えている。 続きを見る
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