変動環境における適応と多様性進化の理論的研究

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変動環境における適応と多様性進化の理論的研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
佐々木 顕(九州大学・理学部・助手)
本文言語:
日本語
研究期間:
1994
概要(最新報告):
環境変動が集団の多様性にもたらす効果として(1)遺伝的多型、つまりさまざまな環境に適応する遺伝子型の共存を促進する、(2)表現型多型戦略(混合戦略による両賭け)が進化する、つまり親が子の表現型を分散させて環境変動によるリスクを回避する、などがあげられる。環境変動によってもたらされる遺伝的多様性と表現型多様性のパターンを解析した。 Sasaki & Ellner(1995)は、変動環境のもとでの進化的に安定な(ESS)表現型分布について以下の結果を得た:環境の変動幅が閾値以下であれば、環境の平均値に適応した表現型のみを生産する単表現型戦略が進化し、変動環境幅が閾値を超える場合には、子孫の表現型を大きく分散させ、環境変動によるリスクを回避する多表現型混合戦略が進化する。また、きわめて一般的な条件のもとで、ESS表現型分布が離散的であることが示された。つまり、大きく変動する環境においてはとびとびの値に変異を分散させて生み分けることがリスク回避に有効であり、連続的な変異は不適応である(Sasaki and Ellner,1995)。 これらの結果を、遺伝的・発生的制約によって同一個体が子孫の表現型を自由に分配できない(つまり混合戦略が可能でない)場合について拡張した。混合戦略が可能でない場合、環境変動の度合が大きくなると、集団が遺伝的に多様になるが、進化的に安定な状態で共存しうる表現型値はとびとびのものに限られ、その集団の表現型分布は混合戦略ESSの表現型分布と相同的である。また、形質が多数の遺伝子座に支配される量的形質である場合、各遺伝子座での多型のパターン、遺伝子座間の連鎖非平衡、ハ-ディ・ワインバーグ平衡からのずれ、また遺伝分散成分などに対する簡潔な理論的な予測を得た。 続きを見る
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