^1H-NMRによる植物の細胞水の動態モニタリング法

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^1H-NMRによる植物の細胞水の動態モニタリング法

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
MONITORING DYNAMIC STATE OF WATER IN PLANT TISSUES USING ^1H-NMR
責任表示:
井上 眞理[眞理](九州大学・農学部・助教授)
IWAYA Mari[INOUE Mari](九州大学・農学部・助教授)
井上 真理(九州大学・農学部・助教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1994-1995
概要(最新報告):
物質代謝やイオン輸送などの生体反応は、水を溶媒とした環境内で起きている。そのため、水の物理的性質は、細胞の代謝活性や生理特性を反映しているものと考えられている(Kaku and Iwaya-Inoue 1994)。^1H-NMR(プロトン-核磁気共鳴)は生体系における水の状態変化の研究に有効な方法であり、自由水密度や縦緩和時間(T_1)を測定することによって、インタクトな生体試料における水の分布及び動的状態を無侵襲的に調べた。本年度は矮性エンドウ胚軸チューリップ球根及びクロマツ葉を用い、温度や生物的ストレス下での水の動態を調べ、その要因及び生理的意義について明らかにした。1)ジベレリン欠損ミュータントである矮性エンドウは野生種との細胞長の違いにもかかわらず、T_1値は等しいことから、水ポテンシャルには違いはないものと思われ、矮性発現には微小管の配向が決定する細胞壁の力学的性質の寄与が示唆された(井上・本岡 1995)。また、温度ストレス及び乾燥ストレスに対して耐性をもつ矮性エンドウのT_1は特異的な緩和挙動を示したことから、防御機構を働かせることによって、細胞内の生理代謝を維持しているものと思われた。2)低温処理がチューリップ球根の正常な花茎伸長への機構について、MRIにより水の動態を検討した(井上ほか5名1995)。その結果、鱗葉の表皮周辺に限られていた自由水が低温処理によって鱗葉全体に広がることを明らかにした。処理開始時に表皮周辺に認められた自由水の局在場所は澱粉粒を含んでいない皮層細胞に対応していたことから、水分子の運動性が押さえられ低いMRIシグナルに寄与していると考える。また、低温処理により呼吸が抑制され、転流率も低いため鱗葉内に糖が蓄積することを明らかにした。即ち、鱗葉内の細胞の浸透圧が高くなることによって、表皮周辺の貯水組織から水の取り込みを促進し、鱗葉全体での自由水密度及び水分子の運動性の増加につながるという仮説を提唱した。3)生物的ストレスがT_1に及ぼす影響については、クロマツの葉におけるマツノザイセンチュウによる傷害応答を調べた。マツノザイセンチュウの侵入は、含水量の減少よりも早い段階でT_1の短縮を引き起こすことから(井上・池田未発表)、松枯れ病の傷害発現モニタリング法として適用の可能性及びその要因について組織化学的手法により検討した(池田武文ほか2名 1994、Ikeda and Kiyohara 1995)。 続きを見る
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