心臓発生過程および成熟心臓機能における線維芽細胞成長因子の役割の解明

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心臓発生過程および成熟心臓機能における線維芽細胞成長因子の役割の解明

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
上野 光(九州大学・医学部・助手)
本文言語:
日本語
研究期間:
1993
概要(最新報告):
本研究では心臓発生および心機能におけるFGF(線維芽細胞成長因子)の役割の総合的理解を目指した。 1)発生初期心臓におけるFGFの心筋増殖因子として役割の解明。 FGF受容体の細胞内チロシンキナーゼ領域のみを欠失した優勢劣勢変異型FGF受容体(自身が受容体としての機能を持たないばかりか、共存する正常受容体の機能も抑制する)をcDNA上で作製し、レトロウイルス由来のベクターに組み込みパッケイジング細胞に導入して、自己複製能力は喪失しているがウイルスとしての感染力を保持したリコンビナントウイルスを調正した。このウイルスを発生2日めのニワトリ胎児心臓に部位特異的に注入した。変異型FGF受容体の発現により心筋細胞コロニーはその増殖が著明に抑制され、FGFが発生初期心筋細胞にたいする細胞増殖因子であることを生体内で世界で初めて証明することができた。研究成果は現在、米国Science誌に投稿中である。 2)FGFの成熟心筋細胞機能への直接作用の解析。 虚血や心肥大において心筋細胞のFGF発現量が増強するとの報告があるが、FGFの成熟心筋に対する作用は不明であった。そこで成体ラット心室乳頭筋の微小筋肉標本を作成し電気刺激により発生する張力に与えるFGFの作用を観察すると、FGFはまず弛緩障害を起こし、ついで最大張力を減弱し最後に収縮硬直状態を惹起した。心筋細胞を単離、培養しFura-2を用いて単一細胞内Ca濃度の変化を経時的に観察すると、弛緩時細胞内Ca濃度は次第に上昇し張力実験と良く符号する結果を得た。これまでの研究成果は学術誌に投稿するべく現在準備中である。 観察された変化は臨床上不全心で観察される心機能低下と近似しており、今後もさらに分子レベルでのメカニズムの解析と、"受容体レベルでFGF信号を除去することで不全心の機能低下を防止できるか?"を目標に分子細胞学的検討を継続する予定である。 続きを見る
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