溶媒和の立体効果に関する熱力学および構造化学的研究

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溶媒和の立体効果に関する熱力学および構造化学的研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
石黒 慎一(九州大学・・理学部・教授)
石黒 愼一(東京工業大学・総合理工・助教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1993
概要(最新報告):
本研究では、溶媒和における立体相互作用の有無が反応生にどの様な影響をもたらすのか、について熱力学と構造の両面からアプローチを行った。ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)等の非プロトン性ドナー溶媒中で金属イオンは安定な溶媒和錯体として存在する。複雑な有機分子が複数、金属イオンを中心とする集合体を形成しているのが溶媒和錯体であり、配置している溶媒分子の振動・回転運動は著しい制約を受ける。さらにある種の溶媒では、配位分子間に特異な相互作用が働く。立体相互作用はその一つである。DMFおよびDMA、いずれの溶液中でも溶媒分子は酸素原子で配位しているが、酸素原子の配位能はほとんど違わない。しかし、その中での金属イオンとハロゲン化物イオンとの反応を熱力学的に比較すると、生成錯体の安定度、反応エンタルピー、エントロピーに大きな違いがあることが認められた。一連の三価ランタノイドイオンの場合、DMF中のくらべDMA中で金属-酸素原子間距離が短くなっており、結合が強化されていることが示された。一方、錯体の安定度は著しく増大し、金属-溶媒間結合は容易に切断できるものであるという一見相反する結果が得られた。この結果は、溶媒の分子構造の違いによる集合体形成時における立体効果を考えなければ説明できない。溶液中のランタノイドイオンの配位数を正確に決定することは現在の技術ではまだ難しいが、DMAの平均配位数は明らかに減少している。この事実は溶媒和錯体には二種類以上の構造体が共存し、それらの間に構造平衡が成立していることを示唆している。さらに溶媒和数の違いが非常に大きな反応性の違いを引き起こす、との結論を得た。溶媒和における構造平衡は溶液反応において普遍的に起こり得る基本的問題であり、これは今後さらに深く解明することが必要である。 続きを見る
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類似資料:

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溶媒和の立体相互作用に関する熱力学および速度論的研究 by 石黒 慎一; ISHIGURO Shinichi; 石黒 愼一
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