インドにおけるウエステルマン肺吸虫と近縁種群の系統分類および遺伝的変異

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インドにおけるウエステルマン肺吸虫と近縁種群の系統分類および遺伝的変異

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
The Paragonimus westermani Group in India -Systematics and Genetic Variation
責任表示:
川島 健治郎(九州大学・医療技術短期大学部・教授)
KAWASHIMA Kenjiro(九州大学・医療技術短期大学部・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1993
概要(最新報告):
本研究の主要な目的は、ウエステルマン肺吸虫(以下ウ肺吸虫と略)の原記載に一致する集団を、その模式産地と考えられるインド東北地方で特定し、本種の系統分類上の位置づけ、および生物学的、遺伝学的特性を明確にすると共に、この地方に流行する肺吸虫症の病原虫の種類、遺伝的変異、発育史、人への感染経路などを解明しようとするものである。 1993年9月23日-同年10月16日の間、日本人研究者4名をマニプール州に派遣し、インド人研究者と共同で調査研究を行った。同州内7地区12地点で淡水産のカニ2種:Potamiscus manipurensis678個体および、Barytelphusa lugbris216個体、合計894個体を採集した。これらのカニを精査し828個の肺吸虫メタセルカリア(以下Mcと略)を分離回収した。1個を除く827個のMcは総て前種のカニから回収されたものでP.manipurensisが、この地方に分布する肺吸虫の主要第二中間宿主であると共に、この地方で流行する本症の主要な感染源であることが明かとなった。回収された肺吸虫Mcは、その形態によって、暫定的にウ肺吸虫大型、ウ肺吸虫小型、脱のう型、およびヘテロトレームス型の4型に類別された。各型ごとのMcの数は401,31,383,13であった。これらはインドにおいて、また帰国後、日本において、イヌ、ネコ、ラットに感染された。 1994年2月19日-3月12日の間、インド人研究分担者Dr.T.Shantikumar Singhをわが国に招へいし、一部は共同で、感染動物を逐一解剖して肺吸虫の成虫を得つつあるところである。ウ肺吸虫大型、またはウ肺吸虫小形と類別したMcは、走査電子顕微鏡による観察で、それぞれ特有の形態を示す。現在までにイヌまたはネコへの実験感染で得られた成虫は、共にウ肺吸虫に類似するが、細部において異なり、原記載によるウ肺吸虫と同定出来るものは見いだされていない。ウ肺吸虫小形と類別したMcを、インドにおいてラットに感染させ、これから得られた成虫についても、わが国において形態的に詳しく観察したが、ウ肺吸虫とは異なる。この地方で流行する肺吸虫症の病原虫がウ肺吸虫でない可能性も大きい。このように最終的な種の同定には、なお時間を要するが、この地方に流行する肺吸虫症の病原虫としては複数種が関与し、その種類も特異的である可能性が大きいものと思われる。ウ肺吸虫の探索、および得られた成虫を用いての系統分類学的、細胞遺伝学的、あるいは分子遺伝学的研究は次年次にまたがって行う予定である。 続きを見る
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