末梢性肺腺癌の発生病理ならびに組織亜型分類に関する分子病理学的研究

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末梢性肺腺癌の発生病理ならびに組織亜型分類に関する分子病理学的研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
橋本 修一(九州大学・医学部・助手)
本文言語:
日本語
研究期間:
1993
概要(最新報告):
乳頭状肺腺癌48例(クララ細胞型:27例、II型肺胞上皮型:7例、肺細胞型:8例、粘液非産生性気管支表面上皮細胞型:6例)を対象とし、CC10(クララ細胞分泌蛋白)、SP-A、SP-Bの発現を検討した。尚、組織亜型は下里分類に準拠した。CC10抗体は、ヒトCC10一次構造より2ヶ所(N末側:CC10(N),C末側:CC10(C)と略す)を選択、MAP法(多抗原ペプチド法)により、アミノ酸を合成し家兎を免疫し作製した。腫瘍部におけるSP-A、SP-B、CC10(N)の発現頻度は、それぞれクララ細胞優位型で、85%、96%、52%、II型肺胞上皮優位型で86%、86%、57%であり、SP-A、SP-Bの高い発現傾向が認められた。CC10の発現頻度はいずれの型でも低く、CC10の発現が癌化いん伴い抑制されている可能性が考えられた。しかし、細胞形態的には陽性細胞はいずれの型でもクララ細胞様の腫瘍細胞に発現を認め、クララ細胞様腫瘍組織形態とCC10発現がよく相関し、クララ細胞が肺腺癌の発生母細胞の一つである可能性が示唆された。 次に、これらの検索対象症例48例につき、CC10,SP-A,Bそれぞれの発現態度と予後との関係について統計学的に比較検討を行った。全例については、5年生存率:60.1%、中間生存値:29か月、最長予後調査期間:103か月であった。全例ではCC10陽性例が陰性例より予後が良い傾向にあったが統計学的有意差は認めなかった。さらにクララ型とII型について検討すると、CC10陽性例が陰性例に比して予後が良好であった(P<0.05)。これら症例についてSP-A、B発現の予後に与える影響を検討するとSP-A、Bのいずれについても統計学的有意差はなかった。以上より、クララ細胞型とII型肺胞上皮腺癌について、CC10は生物学的予後因子の一つであることが明らかとなった。 続きを見る
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