単一遺伝子病における組織特異的発現異常の研究

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単一遺伝子病における組織特異的発現異常の研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
服巻 保幸(九州大学・遺伝情報実験施設・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1993
概要(最新報告):
時期特異的な発現異常、また発現亢進に基づく単一遺伝病のモデルとして、遺伝性高胎児ヘモグロビン血症(HPFH)の解析をさらに進めた。まず我々が見いだしたHPFH変異はgammaグロビン遺伝子の遠位CCAAT box内-114C-Tであるが、この近傍には-117G-A,CCAAT boxを含む13bpの欠失変異が報告されている。そこで-114変異と共にこれらの変異を持つプロモーターをCAT遺伝子に連結し、K562細胞とKU812細胞に導入後、CAT活性を測定した。その結果、近位および遠位CCCAAT boxは胎児期は正に、また成体期には近位CCCAAT boxは正に、一方遠位CCCAAT boxは負に働いていることが示唆された。個体発生に伴う遺伝子発現の異常を検討するために、正常または変異gammaグロビン遺伝子とbetaグロビン遺伝子とをタンデムにつないだ遺伝子を用いてトランスジェニックマウスを作成し、グロビン遺伝子の発現を解析した。これによると、正常gammaグロビン遺伝子は胎生期13日でbetaグロビン遺伝子に発現をシフトするが、-114変異では高いまま維持されることがわかった。またK562細胞の核抽出液を用いたgel shift assayを行ない、上記3種類変異においてNF-E3の結合が低下していることを見いだした。さらにDNAase footprinting法、methylation interference法によりNF-E3とCP-1とが遠位CCAAT boxについて排他的な関係にあることを明らかにした。以上から胎児期では遠位CCAAT boxにCP-1が結合し、gammaグロビン遺伝子の発現をONにしているが、成体期には代わってNF-E3が結合し、これが近位CCAAT boxへのCP-1の結合も阻害しgammaグロビン遺伝子の発現を抑制しているものと考えられた。従って、HPFHでは近位CCAAT boxの変異のためにNF-E3の結合が抑制され、gammaグロビン遺伝子の発現が成体期でも維持されているものと推測された。 続きを見る
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